学歴同類婚に関する論文を書きました(査読前の論文になります)。この論文では、アメリカを中心に高学歴層の同類婚が増えている国がある一方で、日本のように逆に減少している国もあることへの一つの説明を提示しています。具体的には、高学歴化に伴って大卒内の異質性が拡大するという教育社会学の議論に注目しています。仮に大学にも階層性があり、低階層の大学を卒業した場合にはこう階層の大学よりも非大卒の人と結婚しやすい場合、高学歴化が均質に起こるのではなく低階層大学の増加によって生じるとすれば、大卒層が非大卒層と結婚するオッズが増えます。これに加え、低階層大学の増加によって、結婚市場において大卒の価値に変化が生じた場合でも、高学歴同類婚は減少するでしょう。
この論文では以下の二つのメカニズムを念頭に置いた上で、大学間の階層性が明確かつ広く共有されている事例として日本を選択し、仮説を検証しました。分析結果から、国公立大学卒業者よりも私大卒業者の方が同類婚オッズが低く、非大卒層と結婚しやすいことがわかりました。加えて、近年ほど私大卒業者の同類婚オッズが減少していることが示唆されました。これらは仮説と整合的であり、高学歴化が低階層大学の増加によって異質性も拡大している限りにおいて、他の国でも当てはまる点を議論しています。
Title: Explaining Declining Trends in Educational Homogamy in Japan: The Role of Institutional Changes in Higher Education
replication package: https://github.com/fumiyau/Explaining-Homogamy-Decline
preprint:
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