August 22, 2020

8月21-22日

21日

最近研究詰めで、それはストレスにならない程度に楽しいものだったが、休んでいなかったので数日疲れが溜まっていた。午前中から午後は、スペシャルイシュー兼階層論のための文献購読。昼に砂肝の炒め物をつくる。ランニングは3位のタイム。その後covidのアブスト作り。夜に校正原稿が返ってきたので、午前2時過ぎくらいまで直していた、やや働きすぎだったと思う。本当は30分くらいで済ませて寝るつもりだったけど、校正者が思いの外アクティブに改稿してきたり、ちょっと余計な校正をしていたので、それを一つ一つチェックするのに時間がかかった。

22日

寝起きはあまり良くなかった。午後3時に人と会うことになったので、それまでに終わらせるべきことを済ませていたので結構忙しかった。午前中一杯は論文再投稿の用意、scholar oneのシステムは以上に面倒くさいと思うのは自分だけだろうか。昼ごはんを食べて、2時半まではPAAのアブスト作り、1本はcovid、もう1本は日本の結婚と死亡の話。covidの方はメンターが先に原稿を書いてくれたので、私はそれへのコメントと、図表の挿入。毎回思うのだが、その道のプロが書いた原稿に対してコメントするのは恐れ多いものである。半分自分が見なくてもすでに出来上がってるだろうと思っている節もあって、油断してしまうことがあるのだが、メールの返信でメンターにもう少しコメント欲しい類のことを言われて、本当に欲しいのかもしれないし、こいつはコメントができるのかと試しているのかもしれない、わからないが時間をかければそれなりにクリティカルなサジェスチョンはできる。その後で、反映してくれた原稿を返してくれた。こういうちまちました作業からも、メンターから学ぶことは多い。研究は、徒弟制的な部分も大きいと感じる。残りの時間で自分が書いた原稿を送付。

15時から人と会う。日本から来た研究者の人で分野が違っていたのだが、人の紹介でコロナ前にお会いした。帰国されるとのことだったので、その前にお別れの挨拶。私は出不精の人間だが、その土地を離れる人には会いたい思いが強くなる。これまでいくつかの国、都市に住んできて、一度そこから離れると、もう2度と会わない人もいることに気づいたからかもしれない。プリンストンで会うのと、東京で会うのもだいぶ雰囲気は違ってくるので、今会いたかった。

少し買い物をして帰宅、カレーを作り食べたら眠くなったのでランなどはキャンセル、午後11時に起きてしまいルームメイトが見ていたリアリティショーを見ながら時間を潰す。週末は階層論の試験のためのシラバス作りを進めたい(これは、自分の仕事でも、研究でもないが、やらなくてはいけないものなので、週末ワークに分類される)。文献は頭にあったり、軽く作ってはいるけど、週末に最近読んだものをまとめようと思う、最近はずっと教育の話を読んでた、この辺りはメリトクラシーの話があり政治性も出やすい。

個人的には、社会学者もゲノムのデータをもっと使うべきだと思うが、センシティブになった方がいいところもある。やるかやらないかは別として、いま行動遺伝学でどういうデータが利用可能になっていて、それを用いた研究テーマがいかに階層論の話と関連するのかは頭に入れておいた方がいいと思う。教育達成の階層間格差の理論を見直してみたら、彼らは意外とGxEの話をしていない気がした。

例えばブードンの二次効果(出身階層間で異なるパフォーマンスの違いを統制した上で残る階層効果)やその延長の相対リスク回避は、パフォーマンス(能力)を一定とした後の階層の直接効果を検討するが、行動遺伝学の先行研究を踏まえると出身階層を環境、能力を遺伝としたGxEへの言及がないことに驚く。もちろん(センシティブになった方がいいのは)今の遺伝のデータが拾っている教育年数のばらつきは本当に能力やポテンシャルなのかといえば小さくない疑問符がつくので、大きなことは言えないが、少なくとも行動遺伝学と階層論の理論の架橋は検討してもいいはずだと考えている。

あとは、ヤングのメリトクラシー論に従うのであれば、メリトクラシーとは「能力+努力」の組み合わせで、本来はランダム(実際はランダムじゃないが)に割り当てられる能力と、それとは別に本人の(もちろん環境の影響を受ける)努力を分けられれば、興味深いと思う。

再来週から授業が始まるので、そろそろ研究モードから少し離れて、ティーチングのことや、試験のことを考えなくてはいけない。不思議な夏休みだった。ずっとステイホームだったけど、これまで溜まってた仕事におおよそ片付けられ、前を向いてこれからのことを考えられるようになったので、これはこれで良かったと思う。普段だったら学会に行ったり規制していたりで、夏休みに研究に集中する時間は限られていたのだが、今回は思いっきり研究できたので、良かった。ただ、これだけ時間があっても人間はどこかでサボることも明らかになり、適度に時間を割り振るのも大切だと思った、移動が自由になったらまた旅行に行きたい。

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