「ドゥ・ボイスは理論なのか」という問いを吹っかけられて先週から考えているが、彼に限らず社会学が制度的に無視してきた理論家は数多に登るはずで、これは社会学で理論とされるものがどれだけ西欧に偏ったものであるかを問い直すことに等しい気がしている。一種のポストコロニアルの議論に近いかもしれない。
下記の本は理論・学説を屋号に掲げる人は読んでおいて損はない。我々はシカゴ大学がアメリカ「最初」の社会学部と記憶しているが、それは真実ではない。
The Scholar Denied
シカゴ学派からアメリカの社会学を始めてしまうとドゥ・ボイスの業績をスキップしてしまう、ここ最近のアメリカの文脈的にはあり得ない。人種の議論を飛び越えてドゥ・ボイスが理論的に重要なことを言っているかは意見が分かれるかもしれないが、以前の学説が定説として輸入されきってしまう状況は残念。Souls of black folksなどは邦訳もあるようなので、社会学の理論のゼミで読めないことはないと思うのだが、教える側もどうやって読めばいいのかわからないかもしれない。
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