今日は学部のゼミを休んで、某私立大学の院ゼミで卒論の報告。昨日とは違うところで日本語で,なぜか2コマぶっ続けだった。前回にそのゼミを訪れたのは8月くらいで、その後家族社会学会や数理で再び出会う人も多かったが、形としては、4ヶ月ぶりの再会。
卒論の内容は、配偶者選択の個人化の話と、親の潜在的影響力、それと結論に書いた家族社会学批判の三本立て,スライド110枚の結構な 内容だった。実証部分に関しては、まだまだ改善が必要だなと,それは議論のディフェンスも含めて,感じた。
ただ、先生のコメントとしては、概ね同意ということで一安心だった。8月に発表した時には、分析枠組みから仮説から、良くも悪くもイギリスから帰ってきたのが色濃く残る内容となっていて、反応はよくなかった。そこで、受けたコメントを意識しながら、書き進めたからか、確かに当初とは随分テイストは異なって見える。予想以上に丁寧にコメントしてもらえて、メモは逐一とり、帰宅時に文字に起こした。本当に、機会を与えてくれてありがたかった。
卒論の分析部分からできた貢献としては、
・配偶者選択の分析枠組みの定式化(選好、機会構造、第三者の影響力)
・これに基づいて、第三者(親)の影響力の趨勢とその規定要因を解明
・選好と機会構造の相互作用の過程を解明
・その上で、なお残る直系家族制の影響を指摘
の四つがあり、これをもとに、2年半くらい前から書き溜めていた家族の多様化論批判を乗せてみたら、予想以上に賛同された。尊敬する家族社会学のエキスパートに、今まで誰にも見せてこなかった内容を話して、そういう反応を貰えたのは,我が意を得たりという感じ。方向性は、間違っていないんだなと思えた。なので、少し明るめの兆しが見えている。分析枠組みの定式化もよかったといわれ、 多分に冗談だろうが、研究ノートにして出せばいいと言われたのも嬉しかった。なので、真ん中の実証部分は,もっともっと洗練させなくてはいけないのだと痛感。ただ、向かってる方向は外れていない。このまま結婚に焦点を当て続けてもいいかもしれない。個人的には、保守的に聞こえるかもしれないが、家族の集団としての合理性・戦略性を打ち出せるようなテーマにしていければと思う。
この2年半考えていたことが認められて、少しほっとした。
今日使用したスライドは以下から見られる。
http://www.slideshare.net/FumiyaUchikoshi/meiji-marriagenew
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