January 25, 2015

1月25日(日)その2 家族研究の分類について

院試の勉強会で、家族の分析視角として制度的に見る見方と実態を見るものの二つがあると言ったことがあったが、ひとまずこのような区切りは日本では戸田貞三くらいまで遡れるらしい。以下メモ。


戸田の「家族構成」は昭和12年の出版だが、彼によればそれまでの家族生活に関する研究をしている人は、「家族生活と家族外に存する社会的諸生活形式との関係」(具体的には、「主として家族の成立存続または分解に関する外部的社会制度の研究であるか、然らざれば家族生活上の機能と国民の生活上の要求との関係の研究である」(以上 17)に限定されていたという。しかし、家族員を非打算的に集団を構成するものと考え、「人類の強い欲求」にもとづいて現れると考えた戸田は、家族集団の外部にある制度をこれを一定の方に組み込むための手段であり、したがって家族がそれ自体としてどのような内部に見られる集団的特質を持ち、いかなる機能を持つかを分析する必要を訴えている。これは、家族間の相互作用もあるだろうし、純粋に核家族などの形態も含むだろう。

要するに、制度と実態という区分が二項対立的に見えない場合は、一つずらしてこれを家族から見て外部なのか内部なのかという違いから理解するとよいということになる。

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