二限の授業まで時間があったが、10時から健康診断の予約があるため、それまでには大学についていようと言うことで、少し早めに家を出る。予約後、二限の授業へ。一応社会調査の分析の基礎からということだが、大半はすでに社会調査士科目を一通り履修していた人なので、すこし内容は変わるかも知れない。高ゼミの先輩で、昨年新書を出された方がいた。
授業が早々に終わり、延滞していた本を返したり、発注していた名刺を生協にとりにいったりしていた。昼休みは、明治で人口学をやっている友人とランチ。後に挙げる文献のほか、面白そうなデータなど、色々と議論ができたのでメモにまとめておこうと思う。
その後、四限にアカデミックライティング、終了後、院生室でひたすらログリニアの論文を読む。
今日読んだ論文では、HoutとXieの説明が分かりやすかった。Mobility Tablesは分かりやすいだろうか(買おうかな)。今日の驚きは、駒場の英語以来お世話になってる石井クンツ先生が、アメリカ時代に書かれたログリニアの教科書を見つけたことだった。
人口学との彼との話で、いくつかデータを教えてもらった。まず、国連ヨーロッパ経済委員会が企画している、世代とジェンダーに注目したパネル調査がある。GGPといって、調査名はGGS(Generations and Gender Survey), 日本データはJGGSとなっていて、紛らわしいかもしれない。基本的にはヨーロッパ諸国の調査で、比較として日本とオーストラリアが入っている。これは、結構いいデータかも知れない。しかし、公式のページに日本の調査の概要説明がなく、どこが企画・実施しているか調べる必要があった。知った、彼自身はヨーロッパに住む50歳以上の人を対象にしたSHAREを分析しているらしい。最後に教えてくれたのは、こちらも国連ヨーロッパ経済委員会が企画しているFertility and Family Survey (FFS) 、色々あるのだなと。
Duncan, O. D. 1979. “How Destination Depends on Origin in the Occupational Mobility Table.” American journal of sociology 793–803.
Goodman, L. A. 1973. “The Analysis of Multidimensional Contingency Tables When Some Variables Are Posterior to Others: a Modified Path Analysis Approach.” Biometrika 60(1):179–92.
Hout, M. 1984b. “Status, Autonomy, and Training in Occupational Mobility.” American journal of sociology 1379–1409.
Sobel, M. E. 1981. “Diagonal Mobility Models: a Substantively Motivated Class of Designs for the Analysis of Mobility Effects.” American sociological review 893–906.
Xie, Y. 1992. “The Log-Multiplicative Layer Effect Model for Comparing Mobility Tables.” American sociological review 380–95.
Yamaguchi, K. 1987. “Models for Comparing Mobility Tables: Toward Parsimony and Substance.” American sociological review 482–94.
以下、彼に教えてもらった文献(Raymo et al.はEsping‐Andersen and Billariに引用されていた)。Esping‐Andersen and Billariは男性稼ぎ主モデルから、女性の革命期に入って、現在は革命を脱した国もあれば、過渡期の先進国もあるという。これを過ぎれば、出生率などは回復するということだが、彼との話では、全ての国がブレッドウィナーモデルに当てはまらないだろうという点で、ここがReherと関わってくる。彼によれば、スペインなどはインフォーマルセクターに対する女性の労働進出が多く、これは公式統計では失業と見なされていたため、男性稼ぎ主型の国に見えるが、スペインでは伝統的に男性の収入を妻が補うという働き方が主流だったという。日本に関しても、かつては農業、いまでも自営業など、家族が手伝う家業を生業としていた人も多く、日本も男性稼ぎ主モデル(ここでは、女性は専業主婦と想定されている)よりも、家計補充形だった可能性があるという。どの国でも、稼ぎ主形への収斂は一度生じているかも知れないが、その視点は異なるかも知れないということだった。興味深い。
Esping‐Andersen, G., & Billari, F. C. (2015). Re‐theorizing Family Demographics. Population and Development Review, 41(1), 1-31.
Raymo, J. M., Fukuda, S., & Iwasawa, M. (2013). Educational Differences in Divorce in Japan DEMOGRAPHIC RESEARCH 28(6)
Reher, D. S. (1998). Family ties in Western Europe: persistent contrasts. Population and development review, 203-234.
No comments:
Post a Comment