私も最近ジェンダーの論文を書いていて、一言。直接検証できてるわけではないけど、今書いてる(つい先ほど書き終えた)学校基本調査を用いた、四年制大学に在籍する男女の専攻分離の趨勢に関する論文のインプリケーション。
日本では賃金の高い専門職につながるようなSTEM専攻に進む女性がまだ少なく、賃金格差の一因になっているという指摘があります(Yamaguchi 2019)。論文では、この点についてサポートする結果について議論した上で、こういうSTEM系の学部は選抜度の高い国立に多い傾向にあるので、そこがボトルネックの一つになってるんじゃないかという点についても議論しています。
日本の場合、高等教育の拡大は私大によって担われているのですが、最近だと新設の私大以外にも、旧短大が女子学生の減少などを背景に四年制大学に昇格、ないし統合したりしています。こういった旧短大系の大学の専攻を見ると、STEM系は少なく、資格に結びつくような教育や保健、看護が多いのですが、こういった専攻は確かに女性が就業継続しやすい職につながる一方で、賃金が高スキルの専門職に比べると低いので、女性の高学歴化が進んでも、それが選抜度の低い非STEMメインの私立大学によって担われている場合、労働市場における男女格差の平等化には、思ったほどインパクトはないのではないかと思っています。時期にWPを出せればいいと思っているので、よければ読んでください。
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