September 14, 2019

近況

というほどアップデートもないのだが、やはり新しい環境に入ると、日々何かしらの示唆を得ることが多い。

徐々に地理関係も頭に入ってきたのだが、社会学部のある建物は、キャンパスの中央からはやや離れている。とはいっても、マディソンに比べるとキャンパスは非常にこじんまりとした印象で、自転車があれば10分以内に大体の場所につくことはできる。今日は大学病院に行って予防接種をしてきたのだが、人によっていうことが違っていて戸惑った。そもそもの始まりは、私は予防接種のレコードをマディソンで提出してなかった。本来は提出すべきなのだろうが、特に連絡もこず、一年を過ごしたままだった。

しかし、プリンストンでは予防接種をしないと(あるいはレコードを出さないと)授業を履修できず、ポータルサイトの利用も制限されてしまう。私はあまりにもいきなりの転学のタイミングだったせいか、病院側が私の存在を認識しておらず、予防接種のレコードを出していないのに授業が履修できてしまうという、やや奇妙な状況に陥った。しかし、数日前にロックされてしまったので、仕方なく病院に行くことに。

レコードがなかったので、予約した電話口では改めて全部打ち直せばいいよといわれていたのだが、担当の医師の人には血液検査をしてから決めましょうと言われて、また月曜以降に来てくださいと言われてしまった。その血液検査はQuantiFeronというのだが、なぜ予防接種をしに来たのに血液検査をするのか、最初は全く理解できなかった。帰宅して調べてみると、結核検査のツベルクリンテストの一種らしい。しかも、そのQuantiFeronも、今日はできないので月曜に来てねと言われて、結局Tdapだけ打って帰ることになった。なお、大学のポータルサイトのロックは解除された。

また別の食い違いは銀行口座を開いたときに生じた。Bank of Americaの口座を開いたのだが(今まではアメリカの銀行口座はウィスコンシン大学のクレジットユニオンを使っていたのだが、NJにくると無料ATMが全くないので、大手銀行の口座を作ることにした )、大学からの給料のdirect depositもその口座にすることにしたのだが、銀行のスタッフからは紙切れ一枚渡されて、このフォームを大学に提出してねと言われたのが、私の記憶ではdepositの登録はウェブでできるはずだった。確認のため大学担当者の人のところに行って直接確認したら、やはりウェブでできるから提出しなくていいよということだった。

こう行った小さな食い違いは日常的に生じていて、複数の人と直接話して事実確認をする大切さを感じている。

こういったセットアップ関係の仕事はまだいくつか残っているが、多くの時間は研究に使えるようになってきた。毎回自己紹介をするときには掴みも兼ねて3週間で引っ越した話をするのだが、自分でもなんでこんなアホな移動をしたんだろうと心の中でおかしくなってしまうときがある。日々の経験は正直いうと不透明で予測できないことの連続で辛かったのだが、人生経験という枠で見ると非常に有意義だったと思う。なんというか、他の人は絶対経験していないだろう経験をしているのが、自分の人生を豊かにしている気がする。

セミナーにランチが出るかどうかから始まり、教員の構成まで、ほぼ全てが異なるマディソンとプリンストンなのだが、どちらが私にあっているかは置いておき、二つの環境に身を置けたことが今後の人生の財産になることを確信しているので、日々辛いことがあっても、これは将来どこかでペイするものだと思ってやり抜くことにしている。

マディソンの方が、学生間の紐帯は強かったかもしれない。こちらでも学年ごとのチャットグループはあるみたいだが、マディソンはもっと縦の関係も強かった。プリンストンの方が、どちらかというと個人作業をしている人が多い印象があり、お互いの研究について相談し合うグループなどはなさそう。こういう自分の仕事中心主義の雰囲気は私の日本時代のそれと似ているので、それはそれで心地よいのだが、私はマディソンのサポーティブな雰囲気に良い意味で衝撃を受けたので、そう行った環境に身を置けなくなってしまうのは、ちょっと寂しい気がしている。

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