December 10, 2020

12月10日

 柳美里『JR上野駅公園口』を読んだ。遅かれ早かれ翻訳されたのかもしれないけど、オリンピックという国際的イベントが開かれるはずだった年に翻訳が出たのは意味のあることだったのだろう。天皇とホームレスという対極的な存在を上野公園を通じて結びつける着想はすごい。万引き家族のようなリアクションを産むのかもしれない。この小説は、小説のようでいて上野のホームレスを通じて天皇や高度成長の影を鋭く批判するノンフィクションにも読めるし、著者のバックグラウンドも含めて、万引き家族よりも幅広い反応を呼ぶだろうか。

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