昨日の朝から東京にいます。土曜の夜に水戸に戻って、そこからすぐ成田の予定です。
今回の東京滞在は「出張」色が強い。研究会での報告や、お世話になっている研究所の人たちとのミーティングなど。
研究会ではアメリカのアドバイザーとの共著を報告することになったのですが、彼にそのことを連絡すると、参加できそうだから何時から?と言われてしまいました。実はその前日も、社人研で違う共著論文のミーティングでアドバイザーと一緒でした。
私はアメリカの社会学大学院にいるわけですが、アドバイザーは日本の人口問題を専門にしており、日本語も完璧にできて、毎年のように日本の研究者と共著をしています。そういう意味では、私が研究している環境というのはなかなか特殊で、他の日本の院生が経験するかもしれない苦労にはあっていないかもしれません。
ただ、関心が非常に近いことによる難しさもあります。アメリカは広いのでいろんな研究をしている人がいるわけですが、アメリカの中で自分と研究関心が一番近い人を一人あげるとすれば今のアドバイザーになるくらい、やっていることは似ています。そうなると、時々、今一緒に書いている論文は、自分の研究なのか、彼の研究なのか、私たちの研究なのか、よくわからなくなってくることがあります。自然科学に比べると、社会科学では自分の研究テーマと指導教員との研究テーマが合致しないことを前提に指導が考えられている節があるので、そのあたりのアジャストは自分でしなくてはいけません。もちろん、こうして日本でアメリカのアドバイザーと一緒に他の共著者を交えてミーティングができるというのは非常に恵まれています。休暇中も、研究が進むわけですから苦笑。
前日のミーティングも含め、研究会でも英語で、久しぶりだったわけですが、意外と話せた感じがします。もちろん、まだ自信がないところも多いんですが、マディソンで話している英語と違いがないくらい、あまり苦労しなかった気がしています。気のせいかもしれませんが、それなりに英語も身についているのかもしれません。アドバイザー以外全員日本語ネイティブという環境で英語で発表するというのは、ちょっと変な気分でしたが、ありがたいコメントをもらえました(明日の朝にメモにまとめる必要がある)。
終了後、久しぶりにこくわがたでうどんを食べて、1時半から医学部の人類生態学の先生と面談。生態学(ecology)はあまり社会学とは接点がないのですが、UW-Madisonの人口学研究所がCenter for Demography and Ecologyというように、人口学的な発想と生態学的な発想は近いところがあります。今日話した先生はHuman ecologyのトレーニングを受けていましたが、人口学会で頻繁に報告されていて、その縁で知り合うことができました。昨年、セミナーに呼んでいただいたり、マディソンに行ってからも遺伝情報を用いた研究報告を聞く機会も多くあり、自分の専門にはしないにても、biologicalな側面を踏まえて人口学的な研究をしている先生の話を聞きたいと思っていました。不妊治療をデモグラフィックに研究しようとしているという話を伺えて、すごく面白かったです。自分は、不妊治療や婚前妊娠や同棲自体に興味があったり、それが今後どうなってほしいかという思いは殆どないのですが、こういう家族に関連する新しい現象が生じてくる背景としての社会的な力(social forces)には興味があると改めて思いました。
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