November 17, 2019

尊厳

最近、アメリカや日本で起こっている社会問題とされるものを、「努力しているのに報われない」という尊厳を一つの背景としてみると理解しやすいかなと思い、それ以来dignityに関する本を見つけたら読むことにしている。

すると、尊厳の概念は非常にモダンなもので、その性質は時代や場所によって異なるらしいことがわかり、これは面白いと思っている。

例えば、これだけ頑張っているのに稼ぎが少ない(ので認められていない)という問題もあれば、稼ぎが同じなのに社会から認められていないという問題もあり、尊厳を軸にすると、人がなぜ現状の待遇に納得しないかを考える時に、それが経済の問題だけではないことに気付くことができる。

ということを考えながら今日書店にいったら、フランシス・フクヤマの近著も似たようなことを扱っていた。彼曰く、昔は内的自己のアイデンティティを社会に合わせなくてはいけなかったのだが、現代ではむしろ社会を自己のアイデンティティに従わせることが規範的になっているという。

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