November 18, 2019

11月18日

今日のプロセミナーでいつものように各自が研究関心も含め自己紹介したのだが、担当の先生が、一通り聞き終わった後、みんな不平等に関心があるんだねといって、確かに言われてみるとそうだった。というより、最近のアメリカの社会学は、多方面から不平等に取り組む分野になりつつある。

コロキウムは移民研究のアルバさん。内容は、センサス局などが予測する、30年後くらいにマイノリティが人口の多数を占めるという命題を批判的に検討したもの。この予測は増加する複数の人種の親を持つ子どもを無視していて、彼らの多くは白人とマイノリティの子どもで、彼らは自分のアイデンティティを白人と考える傾向もある。さらに今後どれだけこういったミックスの子どもが増えるかは予測も難しいので、安易にマジョリティ・マイノリティの議論はせず、人種構成の長期予測もやめるべきと主張していた(ただし人種概念自体は重要で両立可能)。

要するにこれも一種の同化理論なのだが、ロジックはわかる一方で、やや腑に落ちないところもあった(同化理論はいつも消化不良)。もしかすると、自分もアメリカ社会に「同化」すると同化理論も腑に落ちてくるのかもしれない。

同化理論自体は理論なのだが、アメリカの人種・エスニシティの話はコンテクストが複雑でほぼ他の社会には通じないアメリカ社会論みたいになっている。アメリカに住んで徐々にわかってくるところもあり、日本でいう正規・非正規の概念も類するかもしれない。

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