March 22, 2021

甲子園

 日本で春の選抜がやっているらしい。甲子園が開催されていると、とたんに日本が懐かしくなる。春も面白いけど、やはり甲子園は夏。エアコンをつけて、部屋で甲子園を見ながらアイスを食べる、そして再放送されるタッチを見る(未来少年コナンだったかもしれない)。母は働いているから夏休みは祖母の家にいることが多かった。

テレビで見ていた甲子園は、高校に入ると学校行事と化した。もちろん母校は甲子園に行けるようなレベルではないのだが、それでも甲子園に行けるのではないかと信じて、全校で応援する。はじめは、なぜ野球だけ全校行事なのか、分からなかったが、次第に「楽しいから」という理由に負けて、その疑問を忘れることになる。最後までなぜ野球だけ応援するのかは、誰も説明できなかった。

野球応援では、普段は制服はないのに「伝統だから」と学ランを着た応援団がいる。これに限らず、夜通し歩いたあと「走る」歩く会や、戦前の軍国主義的歌詞を残す校歌など、母校は伝統の名の元に合理性の入る隙は小さかったように思う。

校歌に関しては定期的に廃止運動が起こる。保守的な高校だったけど、月に1回の全校集会で希望する生徒が全員の前で発言できたのは民主的だった。そこで誰かが校歌廃止を提案する。特に争点となったのは、「列強」や「帝国」などのパワーワードが入る2番だった。でも、いつも維持派が勝つ。まるで現在夫婦別姓の問題で維持派が最終的に活用に。卒業式は保護者も来るからという理由で、軍国主義的な歌詞がある2番は歌わないみたいな折衷案がとられた。これも、旧姓使用を広げる代わりに制度は維持する、という話と、どこか似ている。

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