May 28, 2019

東京出張:5月27-28日

月曜日から再び東京に。今回の旅は長く、木曜まで東京にいて、金曜の朝からは日本人口学会で香川、そのあと小旅行を挟んで再び東京となる。どこかのタイミングで洗濯と乾燥をしなくてはいけないので、やや憂鬱。

5月27日
出張のたびに思うが、水戸からの朝のバス、および電車は辛い。どうしても少しでも早く着きたいと思って、高速バスを途中で降りてTXに乗り換えるのだが(東京に入るあたりから渋滞が始まるので、水戸からの高速バスは八潮PAで降りて八潮駅からTXに乗ることができる)、朝は東京都心に向かう人の満員電車なので、スーツケース持ちの自分はやや場違い感があるし、なにより狭い。

そうやって北千住で乗り換えて霞ヶ関に到着。今日からしばらくは社人研の方でアルバイトをすることになる。アメリカの家賃と航空券だけで1ヶ月分の奨学金になってしまうので、今月は多少お金稼ぎをしないといけない。午後まで作業したあと、本郷に。院生室で10時半くらいまで作業していた。やや疲れていたが、今週末までにlit reviewの改稿をすると決めたので、頑張らなくてはいけない。いつものホステルに戻って12時に就寝。

5月28日
この日も社人研。7時間は寝たかったが6時間ちょっとで起きてしまい少し眠かった。午前中に文献レビューをしていたが、2時間しっかり論文を読んでまとめるだけで意識が朦朧とするくらい疲れてしまう。論文を書く時にも同じ症状になるので、自分の集中力の限界は2時間だと思っている。

今日はランチを一人でとることになったので、銀座まで足を伸ばしてみた。「風見」というラーメン屋で、食べログで評価が高かったので選んだ以外に特に理由はなかったのだが、味はなかなかだった。スープが酒粕をベースにしているのだが、酒粕がここまでラーメンの具材を引き立てるとは驚いた。非常に意外性のある一杯だった。

その後作業を再開し、終えてから本郷に。1時間ほど集中してlit reviewの改稿をして、研究会へ。社研の研究グループのミーティングだったのだが、スピーカーが私の指導教員だったので呼んでもらった。社研には学部生の頃からお世話になっていて、会場になったのもよく使わせてもらっていた会議室だった。そういう場所にアメリカのアドバイザーがきてトークをしているのはちょっと不思議で、エモーショナルだった。

報告の元になった論文はすでに読んでいるし、分析に用いた手法は現在書いている論文で使っているので、特に質問も出ないかと思って聞いていたが、結局2、3質問した。最初の質問はHMを使う時に私が毎回感じている疑問で、それは他の人も思うのかなと思って再度。二つ目の質問は報告を聞きながら気づいたところで、TFMRはperiodベースなので、隣接するperiodの率を比べる時には、テンポ効果が入っている可能性がある、というものだった。synthetic cohortを使う場合にtempoをどう解釈するかにはやや流派があるが、tempoの可能性があるトレンドを割と積極的に解釈していたのが気になった。

HMで使用するTFMRがperiodでいいのかについては諸説ある。私は簡便さを重視してperiodでいいのではないかと思ったがmgさんのコメントを聞いてなぜcohortにしないのか、は少々わからなくなってきた。何よりFoAで定義しているような選好要因の影響を受けるのはperiodよりもcohortだし、今はさらに、period指標で見たときのARはcohortの時よりもかなり異質なのではないか、ということを考えている。もしARをなるべく均質的にしたい場合は、cohortの未婚者を取ってきた方がいいのかもしれない。

と考えてみたが、TFMRは未婚者が分母なので、periodではなくcohortにした時に、何を異性の未婚者数として計上すればいいのか、よくわからない。例えば1965-69年生まれの(2019年時点で49歳以上となっている)コーホートを対象にすると、彼らが20歳になるのはそれぞれ1985-89年である。この時に未婚者のプールに入るのは、1985-89年時点の「誰」なのだろうか。period指標と同じ考えでいけばその時点の20-49歳までの全ての未婚者になる。したがって「本人」はcohortで取っているが、相手となる異性はperiodで取ってきている。

少々難しそうなのは、cohortで取ってくる場合に、1985-89年のperiodの未婚異性分布を再現するためには、1987年前後に調査が行われている必要があるという点だ。cohortアプローチの時は最近のコーホートほど49歳に達していないことが気になりがちだが、古いコーホートについては若い時に調査が行われていない可能性がある。two sex problemに近づくが、ある未婚者をコーホートで取ってきた時に、時点が限られるcross sectionalなデータからいかに異性未婚者人口を推定するかは、アイデアが浮かばない。

それ以外で気になったコメントは二つ。一つは専門学校と短大の異質性の話で、これは検討できそう。もう一つは同棲の話で、2009年のペーパーから10年経っているので、そろそろ再検討してもいいかもしれない。

指導教員は頭の回転が早いというか、気配りができるというか、うまい表現がうまくできないが、常に聴衆のことを配慮したトークをしてくれる。例えば、あの場に私がいなければ、高等教育の異質性の拡大の話をしたのか、わからない。彼のすごい点は、自分の発表をしながら自分の学生の研究の宣伝もできてしまう点である。彼は常にポジティブなフィードバックをくれるし、特に他人の前では私の研究を「売って」くれるのだが、個人的にはまだまだ足りていない点が多いので、どうしても恐縮してしまう。

しばらく日本にいると、日本的なコミュニケーションに慣れてしまって、アメリカ的なコミュニケーションを忘れてきてしまっている。ちょっと長く滞在しすぎなのかもしれないとやや後悔しているが、休みの後半はプレリムのself studyにしなくてはいけない。

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