October 31, 2018

10月30日の記録

ここ数週間は日記(というか行動記録)を書かずに1週間の予定を評価する形になってましたが、やっぱり文章に残して置くことも必要かなと思い、1日をまとめます。1週間色々ありすぎて、時間が経つとすぐ忘れちゃうのがもったいないなと。

7時に起床。8時半から指導教員と学会アブストのミーティングが入っていたので、朝食は取らずにすぐ着替えてバスに乗る。メールをチェックすると再現性論文が公開されたという連絡を共著者の先生からもらい、早速ツイッターで宣伝させていただきました。

同類婚の論文とかも掲載されたら一応呟くようにはしていたのですが、再現性論文の方がキャッチーというか、improssionの数も多くて、やはりみなさん関心があるのかなと思いました。marginalには関心がある分野なので、これからも要求があれば仕事として考えたいかなと思います。

バスに乗って大学へ7時40分。8時半までの間アブストの微修正。結果的に、夜にコメントを再びもらって無事提出できたのですが、PAAの時よりも焦りがあったというか、ちょっと見切り発車気味だったかもしれません。アイデアは指導教員の先生のものなので、私も最初何がやりたいのか核心まで掴めないところがあり、最後の数週間になってなんとなく腑に落ちてきた印象があります。あとは、先行研究を引用する過程で発達心理学のliteratureをかなり探す必要が出てきて、これには苦労しました。その部分はボスには評価してもらって気がしますが、なんというか、ゲノムと似ているのかもしれませんが、使っているタームを知らないので、そのタームにどういう意味が内包されていて、似ているタームでも状況によって区別して使用する(classとstratificationみたいな)ことがあるのかないのか、よくわからないまま読むと余計にわからなくなるという。一度、家族・教育・発達心理学周りの文献を読んでみたいなと思いました。家族社会学の雑誌にもたまに心理系の文献は載ったり、社会学者でもElderやAmatoさんは心理の文献にも登場したりするのですが、一般に社会学部ではこうしたトレーニングは受けられない気がします。

そのあと2時間ほど個人作業をして(論文読んだりアブスト修正したり課題進めたり)、12時15分から人口学研究所のDemSemでした。Visit dayの時には、夢の地に降り立った気分で興奮しながら参加していたのですが、さすがに渡米してから2ヶ月以上も経つと中だるみっぽい雰囲気も出てきます。サボったりはしませんが(1回サボったかも)、たまに内職したりしちゃいます。今日の話は社会ゲノミクスの先生だったので最初から関心を持って聞きました。環境との相互作用によって遺伝子の発現が変わることをエピジェネティクスといって、社会ゲノミクスの中でもadvancedな分野に入る気がしているのですが(この辺りの位置付けがまだわからない)、今日はその話。具体的には、子どもの9歳児のバイオマーカーをとってきて、母親の貧困や収監によってどれくらいエピジェネティクスが発生し、その結果anti socialな行動を起こしやすいのかどうか。貧困とantisocialな行動の間にも関連があるので、いってしまえば、エピジェネティクスによって媒介効果があるのか、という話ですね。因果の話になるので、複雑というか、過程も必要です。チャレンジングなことをしているなというのが第一印象で、それはご本人も認めておられました(分析結果が間違っている可能性も含めて)。

社会ゲノミクスは日進月歩で進んでいる感があり、先月聞いた報告よりも今日の報告はかなり新しいことをしていた印象。聞こえはいいけれど、先行きが見えにくい分野でもあり、非社会学系のジャーナルに論文が掲載されても就職・テニュアにつながる保証はなく、若手の間では判断は分かれそう。そういえば、今日のセミナー報告者の先生が、来年6月にミシガン大で社会科学者のためのゲノム分析のワークショップを開くみたいなので、専門的にトレーニングを受けたい方は検討してみると良いかもしれません。11月になったら告知されるようです。

そのあと、会議室でランチ。院生は学期に二回、学外から来た縁者の先生とランチする権利があります。なぜ2回かというと、ランチの定員が1回3人までで、なぜ3人かというと、まあインフォーマルな側面を重視していることもあるでしょうが、予算の関係もありそうです(お弁当頼んでくれる)。ケチなのでいつも結構高めのサラダを頼んでしまいますw

研究関係の話も伺いましたが、私が社会ゲノミクスに関心を持つのは、substantiveな側面が一つと、もう一つは新しい分野横断的な領域の研究をしている人のマインドと、彼らのキャリアについて関心があるからです。前回社会ゲノミクスの先生と話した時には、既存の学問分野は学部(department)と対応していて、そこが新しい分野の研究をするときのゲートキーパーになっているという話があり、率直にいって社会ゲノミクスで博論とったとしても、次のステップが難しそうだなと思っていました。今回の演者の先生の期間は業績評価にも非社会学系のジャーナルを考慮してくれるということでしたが、彼の所属はサーベイセンターなので、その辺りも考慮しなくてはいけないかもしれないなとは思いました(教育負担がない)。

そのあと統計の授業、いつもマージナルに役に立つ授業ですが、今回はコントラストコーディングを習って少し勉強になりました。同類婚の分析に使えるかもしれません。

プロセミナー、コースワークをどうやりくりするかという話で、3人の先生が登場。印象的だったのは因果推論で有名な先生が、何人かの質的な研究をメインにしている(していた)人の例を持ち出して、院生時代に量のトレーニングをすることが自分の研究を強靭にするための方法だと言っていたことでした。これは量の人にも当てはなって、質の方法論を学ぶことで自分の方法の弱み強みにセンシティブになれということなのかなと思います。あとはdata is blind without theoryという言葉も印象的で、理論の授業を取ることの大切さを計量分析の先生がしていました。先生たちがコースワークを真面目にやれというのは、まあ分かり切った言明ではあるのですが、先生たちも講義から研究につなげてほしいというマインドは持っていたので、そこは確認できてよかったなと思います。

終了後、統計の課題を片付けて帰宅。途中で修正アブストがボスから送られて来たので提出。忙しい1日でした。日頃からノートはとってるけど見返さないのはもったいないから、今日のプロセミナーの話とかはちゃんと見える形で残しておこうかなと思いました。帰宅した後に1日を振り返られる時間的、精神的余裕と体力を残して置くことが大切ですね。

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