今年度進めているプロジェクトから、女性は浪人しにくいことが傾向としてははっきり確認された。東大などの選抜的大学に女性が少ないことも、これらの大学に入学するためには人によっては浪人する必要があることが背景にあると考えている。ただし分析はベネッセの高校生を対象にした調査を用いていたので、なかなか大学の選抜度までは考えることができなかった。
この問いに最もストレートに答えることのできるデータは、学校基本調査の大学学部ごとの個票だった。しかし、個票を手に入れるには色々と手続きが必要で、頓挫していた。
ところが、実は国公立大学については公開されてたのをつい先日知った。2012年から、大学学位授与機構がデータを大学・学部レベルで生徒数や教員数のデータを公開している。2016年からは年齢別のデータも公開されていた。利用しない手はない。
この図は、入学者に占める19歳以上の割合(=受験浪人の代替指標)と女性割合の散布図である。結果は最新年の2021年のものを示しているが、公開されている2016年以降については、どの年も似たような結果になっている。両者は綺麗に負に相関してて、年齢と受験浪人が密接に結びつくという意味でも、また受験浪人に男女差があるという意味でも、非常に日本的な現象だと思う。19歳以上が100%を占めるのはちょっと考えにくいので、非常に定員が少ない学部かもしれない。本当であれば、定員のサイズで円の大きさを調整して示した方がいいかもしれない。
追記:19歳以上が100%を占めていたのは、埼玉大学経済学部の夜間コースだった(定員15名)。なお、他に19歳以上割合が高いのは、基本的に医学部、歯学部、それと芸大系の学部である。
19歳以上が0なのは京大の薬学部で、どうやら京大薬学部はデータには一般入試枠と特色入試の二つが入っているようで、19歳以上が0なのは後者だった。定員が3名であるために、こういうことが生じている模様。次の分析では、複数のコースがあっても同じ学部であればマージしなくてはいけない。
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