最近、徐々に高等教育とジェンダーの話に研究の舵を切っている(10年弱はするつもりでいる)。扱っている内容としては、浪人や、難関大学に女性が少ない話とか、当事者として見聞きすることも多く、興味はあったけれど、いい感じの距離感で、テーマと相対するまで、時間が必要だったのかもしれない。
修士から数えて7年弱の間に書いた論文のメインは学歴同類婚だった(今でも一番の専門と思える)。ただ、それを選んだのは、心の底から興味があったというより、階層、家族、教育、人口の全てが関わるトピックだったから。興味が定まるまで、ひとまず複数テーマにまたがる内容をやった方が、後でテーマを変えやすいのではないかと、マンチェスターの寮の図書館で卒論について考えているとき、確かに思ったし、この考えは間違いではなかったと思う(弊害は、いろんなことに興味が出てしまうこと)。
同類婚以外でも、これはピアの影響が大きいと思うが、周りがやってるテーマに興味を持ち、結婚、出生、性別職域分離の論文などを書いてきた。振り返ればややピッキーだったと思う。ぶっちゃけると、一貫性はなかった。とはいえ大雑把には、自分は階層性の再生産過程における教育の役割に興味を持っているのだと思う。振り返れば、大体その関心に惹きつけられなくもない論文が多い。
同類婚について正直にいえば、日本に関してはやっている人が少なかったのはすぐに分かった。やっている人も、片手間気味だった。興味はあるけど、メインは教育格差や、社会移動、あるいはもっとクラシカルな家族人口学だった。英語で書かれた日本事例を扱った論文はほんの少ししかなかった。要するに、自分はニッチを攻めたのだと思う。ただ、アメリカではホットなテーマで、それは知っていたが、予想以上に競争的だった。このテーマでも、引き続き貢献していきたい。
この二つが合わさり、僕の10年の目標は、まず同類婚の国際比較プロジェクトをスタートさせ、本にまとめること。次に、高等教育とジェンダーの話についても研究をリードし、成果として本にまとめること。
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