June 26, 2016

京都・学会参加3日目

AAS in Asia報告終わり。ひょんなことからこういう機会をいただけたのは色々と勉強になりました。
Marriage strategies in East Asiaというパネルで、終了後の報告者とのミーティングで、チェアのDeborah Davis先生の意図としては、ご自身の中国でのフィールドワークの経験から、高学歴化、個人化、都市化といったマクロな社会変動が家族形成に与える影響を東アジアの国を比較することで検討したいという意図があったのだなと思いました。
私はそんなことはつゆしらず、日本の学歴同類婚とその帰結についての報告をしたのですが、関心が重なるところとしては、例えば女性の高学歴化が配偶者選択のパターンにどういうインパクトが(高学歴カップルの増加に伴う世帯間の不平等という帰結も含めて)あるのかだったり、私がほぼ統制変数で入れただけの15歳時の家庭豊かさに食いつきがあった箇所は別の解釈をすると、育った環境が配偶者選択にどう影響するかという(それ自体はイースターリンの話とそこまで外れないと思いつつ)話になったり、総じてやはり西欧社会と一見すると同じような社会の変化を経験している東アジアの国にみられる(家族も含めた)制度的な特徴(親子の紐帯が強いであったり、直接間接の形で結婚に親が介入するであったり)が結婚のパターンにどういう影響を持つかというのを時系列および東アジア社会間の比較でみたかったのだなと思いました。
親の影響は昔は気になっていたところで、ただ少なくとも(1)見合いによる介入という直接的な側面(2)非直接的だが結婚に際して親の影響があったと対象者が答える側面(3)非直接的かつ対象者が影響がないと答えつつも親子間の学歴や階級で見た時に関連がある側面の三つをどううまく峻別した上で議論できるかと考えて難しいなと思っており、最近はベッカー、オッペンハイマーに代表される結婚市場の議論に乗っかりながら、その帰結の部分を見たりしていたので、昔の記憶が蘇る日々でした。昔の関心にシフトするとやはり家族に重きをおくような気がしており、一応修論では階層に着目するつもりなので、自分の中で今回のセッションをうまく消化して今後に生かしていきたいなと思いました。反省としてはやはり盛り込みすぎで、そう悟ったタイミングからアブストを書き直せばよかったのだろうと思いました。今回はやや特殊な事情だったので仕方ないかと反省。日本はどう?と聞かれても自分に知識がないことがわかるばかりで、細々とした反省は数え切れないのですが、少しずつ潰していければと思います。

No comments:

Post a Comment