June 12, 2016

日曜日

人口学会二日目。前日よりは1時間程度遅く家を出る。未婚セッションに参加し、相変わらず若気の至りを言い訳に質問。人口学全く知らないのに、いつものように質問してしまってずれてる部分多々あったかと思うのですが、勉強させていただきました。終了後、前日のセッションで質問した報告者の人がわざわざ声をかけてくださり恐縮。帰りにysdさんと一緒に人口学会の感想など共有。

大学で階層論の文献を済ませ、渋谷で「走れ、絶望に追いつかれない速さで」を鑑賞。3ヶ月ぶりの映画、1年以上ぶりの日本映画(機内を除けばもっとか?)、4年ぶりくらいのユーロスペース。界隈で話題になっていたので、あと監督が同年齢ということで行ったのですが、よかったです。映画のメッセージはシンプルに、タイトルが表すように「走れ、絶望に追いつかれない速さで」に要約されるということでいいでしょう。若干時間が前後する構成で、特に後半の絵の部分は少女のくだりを思い出して結構ハッとしてしまいました。シーン割り(という表現でいいのでしょうか、素人なのでわかりませんが)が前半少し唐突かなという印象を持ったのですが、後半にかけて物語が展開するスピードが速くなり(この辺りは評価分かれるかもしれません、主人公の父親のあたりとか)、個人的には終わりまで集中力を切らさずに見ることができたという感じでした。

要するに、何も残さずに死んでいった友人をどう自分(たち)の中に意味づけるかという話だと思ったのですが、主人公が「どうせなら憎んでくれていた方がよかった」というのには、逆説的ですがそうだなと納得、自分が薫の死に全く関係ない方が辛いというのは、彼の死を自分との関係の中に意味付けようとする必死の言葉のように見受けられました。トマトを食べられるようになったり、高いところが苦手なのに最後には朝日に向かって飛ぼうとしたり、そういうのは薫の死から止まっていた主人公の人生の進展とみていいのでしょうか。ストーリーもさることながら、切り出した映像の美しさには高い評価が与えられるのではないかと思いました。すき焼きのシーンとかは、すごくおなかすきましたね笑 朝日だったり、鳥だったり、そういった自然的な要素が話を重層的にする鍵になる中で、あえて泥くさく、綺麗とはいえない工場、風呂場、公衆電話など、都市下層の生活の様子が繰り返されるのは、同じ東京といえど生活の異なる世界に招かれたような印象を受けました。とはいいつつ、貧乏大学生が部屋を一緒に借りてコインランドリーや戦闘使ったりという生活はまだあるのかもしれませんが、主人公が結局大学を中退して工場で働くとなって、かえって(卒業後の就職といった上昇移動を見込めない)下層的な生活と映ってしまったかもしれません。総じて、非常にシンプルで、綺麗で、同じ時代を過ごしているのだという隣接感を持った良い映画でした。

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