Kalmijn, Matthijs. 1994. “Assortative Mating by Cultural and Economic Occupational Status.” American Journal of Sociology: 422–52.
昔から気になっていたのが、今回職業同類婚を検討するにあたり再読。やはりきになるのは学歴ではなくなぜ職業か?に対してポジティブな答えを提出するヒントを見つけたい。
同類婚の社会階層論的な理解の定義のあと、筆者は職業を以下の理由で用いるとする。すなわち、経済的な次元と文化的な次元を含むものとして理解する。ここで、経済的な次元とはその職業ごとに見た平均的な所得(earnings)であり、文化的な次元は職業ごとに見た平均教育年数(years of education)となっている。最後まで、果たして教育年数が文化的な次元を代表するのかには疑問が残るが、筆者はこの装丁で議論を進めている。
要するに、職業の結婚表を作り、そこに職業ごとの所得と教育年数をパラメータとして投入した時にモデルのフィットは改善するかということをやっている。言い換えると、この二つに同類結合のメカニズムを分解して分布を説明しようとしているといってよい。
経済合理的に言えば、結婚は希少な資源を巡ったマッチングと理解される。ここでは、高い地位につくもの同士のマッチングが優先され、低い地位にいるものはたとえ高い地位との結婚を望んでいても、断念せざるをえない。かたや、結婚を文化的近接性から生じるものと考える場合、むしろ低い地位にいるものは同じ地位のものとの結婚を望むと考えられる。余談になるが、このあたりでブルデューが引用されているのは論文が出版された時代的な影響もあるかもしれない。
経済的なマッチング仮説には、時代による変化が伴う。いわゆるBecker-Oppenheimer論争に近づくが、男女の性分業が根付い状況では、結婚は男性の稼得能力と女性の家事能力の交換として考えられる。しかし、女性の労働市場への進出や稼得能力のポテンシャルが改善するようになると、女性の経済的な資源が結婚にとって重要になるという仮説を導ける(いわゆるSifting economic foundation of marriageというやつ)。
文化的な資源について議論した後、結婚市場でのマッチングは深津実性を伴うものであり、学歴などの社会的地位がバッジ(シグナル)として機能することを言及する。その上で、職業を採用することの妥当性として「仕事は個人の金銭的な展望の標識である」「現代の日常生活は職業によって組織付けられており、結婚候補者の職業は将来の生活がどのように編成されるかの指標となる」と述べる。
あくまで職業を選好要因から理解しており、機会構造の側面をあえて見ないでいるという印象を持つ(ただし、記述的な分析のところで職業ごとにintermarriageが異なるとしており、workplace effectの存在を示唆している)。データはセンサス1970と1980で、16歳から34歳までの若年夫婦かつ結婚後2年以内という分析対象に絞っている。データの制約上、同性カップルを捉えられないなどのデメリットはあるが、70*70の結婚表を分析するにあたって十分なサンプルを確保することができている。記述的な分析だけでも面白いが、ログリニアモデル(正確にはスケール化されたログリニアモデル)を用いて分析している。分析結果は文化的資源の方が経済的資源よりも重要であること、結婚が遅い場合の方が経済的資源が重要になること、1980年センサスの結果では、1970年よりも経済的資源が重要になってきていることが知見。
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