Bernard, H. R. et al. 1990. “Comparing Four Different Methods for Measuring Personal Social Networks.” Social networks 12(3):179–215.
この論文では、ego networkを抽出する四つのname generatorの方法を2つの集落で比較検討している。第一の方法はemotional support groupと呼ばれるもので、「大切なことを話す人」「寂しさを感じた時に話す人」など、情緒的なサポートを提供してくれるintimateを抽出する際に用いられる。二つ目の方法はsocial support groupと呼ばれるもので、お金を借りたり、看病をしてくれたり、そうした具体的なサポートを提供してくれる人を抽出する際に用いられる。今回の調査では11個の質問が用意されている。第三の方法はthe reverse small world technique (RSW) と呼ばれるもので、やや複雑な手法をとっている(詳細はKillworth et al. 1984にあるらしい)。まず、世界中に散らばる500人の架空の人間の名前のリストを作成する。400人はRSWの実験をする時に毎回用いられる標準として、100人が各調査ごとに追加される新しい名前として設定される。各人にはどこに住んでいるかとどのような職業に就いているのかという情報が付されており、実験の対象者はsmall world techniqueについて説明を受けたあと、この計500人それぞれにたどり着くために最も適切な最初の人物を自分のネットワークから選んでもらう。最後に、the global networkと呼ばれる手法がある。まず、対象者の住む地域の電話帳から305人がランダムにリストアップされる。対象者はこのリストの中で自分が知っている人の名前を挙げてもらう。先行研究から、この方法では挙げられる知人の名前はごく限られていることが分かっている。
Mok, D., and B. Wellman. 2007. “Did Distance Matter Before the Internet?.” Social networks 29(3):430–61.
Wellman, B. et al. 2003. “The Social Affordances of the Internet for Networked Individualism.” Journal of Computer‐Mediated Communication 8(3).
コメントとしては、論文ではネットワークを頻繁に利用している人ほど、近隣住民との社交も多くなるという結果を発見しているが(そして、これが既存のコミュニティとインターネットの融合例として紹介される)、それはインターネットが使われてなかった時代の紐帯が移行したことを意味するのであって、もともとインターネットを使用するデジタル・ネイティブの様な世代が友人の家を今までのように訪問したりするかは疑問が残る。
McPherson, M., L. Smith-Lovin, and M. E. Brashears. 2006. “Social Isolation in America: Changes in Core Discussion Networks Over Two Decades.” American sociological review 71(3):353–75.
まず、先行研究の検討から、いわゆるdiscussion network(who are the people with whom you discussed matters Important to you?)によって抽出された人々が日々頻繁に会う重要な他者であることが確認される。比較の結果、ネットワークサイズの減少(平均で2.94→2.08、特にno confidantの増加が10%から24.6%と顕著)、配偶者以外の回答割合が減少、densityは変化がないものの、confidantsとの接触頻度や交流期間は増加しており、より親密性が増しているという解釈が可能になっている。年齢、教育、人種、性別ごとのheterogenityを検討すると、変化がないことが観察されるが、人口変動を重み付けとして加えると、年齢と教育はより均質的に、人種はより異なる人種をconfidantsとして答える傾向になっている。またネットワークサイズと内訳におけるkinshipとnon-kinshipの割合に対する個人的属性の影響も検討している。主立ったものとしては、教育程度が高ければ高いほどconfidantは増加し、この影響力は二時点間で増加している。相変わらず女性の方が多くのkinshipを答える傾向にあるが、1985年時点では男性よりも少なかったnon-kinの人数は2005年では変わらないものになっている。最後に、こうした変化がvalidityを持つものかについて、調査設計や質問の順番をもとに検討している(テクニカルな部分なので省略、後半部分については再読)。
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