February 7, 2021

研究者ワークライフバランスダブスタ問題について

とは、口ではワークライフバランスが大事と言っているのに、リベラル研究者でもがんがん競争社会の中で研究しとるじゃないか、という話です。

今日は月火の大学院セミナーの予習を済ませ文献へのコメントを書いて送り、邦語の依頼?論文の方も前半を書き上げて共著者に送って頑張りました(文献コメントはそれぞれの授業で学期中2回必要なので残り1回でいい)。平日を余裕を持って過ごすためにも、個人的には日曜に研究するのはオーケーです。

火曜からティーチングが始まるので、明日は4時半からの授業まではその準備に充てます。ティーチングがやっぱり一番やっかいというか、まだどこで手をぬけばいいかがわからないので、準備に時間がかかり、それまでにできることは全て済ませておきたいと思っています。

さて、こんな感じで日曜にがっつり研究したと書いてしまうと、やや負い目を感じることがあります。一般化された他者から向けられる、なんで日曜に働いとんのやという、冷たい視線です。

もちろん世間一般で言うところのワークライフバランスは研究者にも大切ですし、働きすぎはよくないと思いますが、研究者は半被雇用者、半自営業者の側面があるので、企業・官公庁の理屈がそのまま通じるかというと、そういう気はしません。

自分の場合だと「やらされてる仕事」(被雇用者的な側面、ティーチングとか)は平日の夜ご飯食べるまでしかやりませんが(月曜にティーチングがあったりしたら例外)、「やりたい仕事」(自営業者的な側面、論文を読む書くなど)は別に休日にやってもいいかなと思います。

研究はしたいけど、被雇用者的な側面のみで働きたいという人には、研究所のポスト、あるいは大学でもリサーチサイエンティストみたいなポジションはあるので、そういうところでバランスを取る方法もあるんじゃないかなと思います。業績による評価の部分は、プロスポーツに近いのかもしれません。

難しいのは、こないだのショーンKYの別垢 v. 山口一男さんの例みたいに、口ではワークライフバランス大事っていっているのに研究者は死に物狂いで働いてるじゃないですかそれはダブスタだろー!みたいな一言です。すこし考えたのですが、自分の答えは、それはダブスタではなく、職業の特性が異なるから問題ないと思います。

例えば、私がマディソンでお世話になった先生の一人は、最近双子が生まれて土日はほとんど研究しないと言っていました。ただ、子どもが寝た後にガンガン、メールなどを書いているそうです。それが私のワークライフバランスだから、とあっけらかんと言われました。

全ての個人に通じる紋切り型のワークライフバランスがあるわけではなく、個人によって、あるいはライフステージによって、ベストなバランスの仕方を個人個人が達成できているのが理想だと思います。企業や官公庁勤めの人よりも、研究者はそのバリエーションが大きいので、なかなか一言でこれだという指針も出しにくいのかなと感じます。

No comments:

Post a Comment