政治学の授業で実証主義と解釈主義の立場の違いに関する記述があり、何もそこまで真っ二つに分けなくてもと思っていたが、人口学セミナーでの議論に参加していると、計量的なアプローチで研究する際にも、解釈主義的な視点を持ち込むことはあって、バランスが難しい。
例えば経済学者の論文でTeen pregnancyをアウトカムにした研究は、明らかに10代での妊娠が「悪い」という前提で書いていると思うけど、それはvalue ladenの要素が強い。ある種の価値から自由にはなれないが、あからさまに価値を付与することから多少距離を置くような分析はどういうのがあるのだろうか。
社会科学なので分析しないといけないわけで、その時に概念を元に操作化するけど、操作化した概念がどこにでも通じる、客観的なものであれば話は早いが、実際には概念は文脈に大きく依存している。そうした文脈にどれだけセンシティブになって研究できるか、という視点が自分には足りないなと思った。
データを使って分析をするので、ある種の構築性を認めつつも、現実を確かに反映したものである、という筆致で書かなくてはいけないし、対象に対する反省性が必要。この変数はどう理解されて、何を測定しているのか、測定していないのか。測定者の意図は何か、みたいな。研究って難しい。
例えば、一つの問いの立て方として、teenage pregnancyが本当に「悪い」結果をもたらすのかは、いろんな角度で再分析してみてもいい気がする。
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