August 3, 2018

社会学部の中で人口学を専攻する

引越しを済ませ、実家に戻ってきている。渡米を控え、現在は秋学期に履修する授業を考えているところ。以下の6科目を履修することになると思うが、平日に休養日が欲しいので、少し減らすかもしれない。

1. Stats 361 Statistics for Sociologists II
必修の一つ。火曜と木曜にlectureがあり、月曜日にTA session。

2. Soc 971 Seminar in Population & Society I
CDE affiliatesの学生は必修のセミナー。人口学に関するトピックベースの授業。春学期にはIIがある。

3. Soc 674 Demography Techniques I 
人口学方法論の基礎。同様にCDEの必修。

4. Soc 995 Demography Training Seminar
CDEの学生が「各学期」(これがPhDコースのうちずっとなのか、任意の1年間なのかは不明)履修するprofessional development 色の強いセミナー。キャリアに関する話のほか、統計手法の紹介もあれば、PAA前になると発表の練習があったりと、実践的な内容。恐らく、通算で2学期間履修すればよい。

5. Soc 997 Demography Research Seminar
同様にCDEの学生が履修するセミナー。こちらはDemSemと呼ばれ、ウィスクや学外の研究者を招いて研究発表をしてもらう場を兼ねている。UW-Madison Sociologyといえばコレ、という印象が強く、個人的には一番楽しみ。DemSemは学生だけではなく教員も参加する(というか、学部のセミナーに便宜的に単位をつけているという側面が強い)。

6. Soc 700 Introductory Proseminar for Graduate Students
唯一、新入生が秋学期に履修することを定められている授業。

1~3は3単位、4~6は1単位で、合計12単位になる。

私は社会学部と提携している人口学・生態学研究所(CDE)のメンバーになる予定で、CDEのメンバーになるとPAAでの発表に対して旅費が出たり、色々とメリットがある。その代わりに、Degree requirementsとして多くの人口学関連の授業を履修することが求められる。

といっても、学位にSociology and Demographyとつくわけでもなく、恐らくCDE affiliatesになってもプレリムに人口学を選択しないという道もあるだろう。ただ、計量的なアプローチで、階層、家族、教育、移動、健康、ジェンダー、エスニシティなどを研究しようと考えている人は、大方CDEのメンバーになる印象。

ところで、ウィスクの先輩から必修の社会学理論の授業はリーディングが多いので1年目は避けるとよいという旨の助言をもらった。仮に助言に従うと、1年間は社会学らしき授業を履修しないことになる。

これはこれで、アメリカらしくてよいなと思う。言いかえれば、この状況は社会学部の中に人口学専攻があるようなもので、画一的ではない、多様な履修形態を選べるという点はアメリカの(一部の)社会学部が持つ強みだろう。人口学を専攻する道は、CDEを通じてかなり制度化されているが、UW-Madisonはなんといってもマンモス学部なので、最初の一年で履修しなくてはいけないのが実質的にはプロセミナーしかなく、他の授業はいつとってもよい(小規模学部は人数の関係で1年目に履修しなくてはいけない授業がしっかりと決まっている模様)。必修はあっても、それは修士号か博士号を取るまでに修めていればよく、やろうと思えば必修の社会学理論以外に社会学らしき授業をほとんど受けないまま、社会学の博士号をとることができてしまう。

ただし、プレリムは2科目受けることが求められているので、PhDを取るまでには人口学に加えて、何かしらの科目を選択してパスするだけの知識を身につけなくてはいけない。私は社会階層論を取ろうと思うが、根底では社会階層と人口学的な視点は重なっているところも多いので、結局のところ「社会学部の中で人口学を勉強している」という感覚は卒業まで拭えないかもしれない。

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