前回の反省を踏まえて、今回はブレークアウトで議論(前回は7分だったが生徒には足りないと思ったので10分にした)、その後に考えをシェアしてもらう構成にした。また、私は基本ファシリテート+細かい点の補足にして、シェアしてもらった考えに対するリプライを違うグループの人にお願いする、そうして発言機会の確保+重層的なインタラクションを目指した。
結果的に、ブレークアウトでまず自分たちの考えを共有し、その考えを他のグループに伝え、質問に対してリプライするという流れを自然に作ることができた。そこで最後に私がなぜこのようなディスカッション(今回は日本における女性にとっての学歴の意味)を用意したのか、伏線回収も含めて若干の解説。
これで40分は使ったので、残りの10分は予備で用意しておいた2つ目のディスカッション質問を、グループワークはしてもらわずに考えてもらった。発言のインテンシティはやや落ちるが、流しとして考えれば悪くはなかった。最初の導入で5分使うので、正味ブレークアウト10分、考えのシェアと議論25分という、タイトといえばタイトな時間になる。量だけ見ると1セット35分は短いように感じるが、何度かブレークアウトを試していくにつれ、問題は量ではなく短い時間でもどれだけ意味のある議論ができたかなのだなと思うようになった。
というわけで、今回はやや自己評価高め。5回のティーチング+2回ほかのセッションの代打を通じて、徐々にティーチングもできるようになってきたような気もする。しかし、うまくいってる気がするのは、上記のように自分でリードするより、まずzoomのブレークアウトルームで学生たちに話してもらって、その後に議論するスタイルに落ち着いたからかもしれない。
さらに言えば、こうした学生中心のオーガナイズは、学生の側がきちんと何を議論したいのか、明確である場合に機能する。東大とプリンストンという、私の限られた経験から由来する非常に奇妙な比較になるが、プリンストンの学生の方が自分の疑問をうまく言語化するスキルが高い気がする、さらにその質問を適切な場で共有する、一種の空気を読むスキルも高い。これはおそらく、受講生が2-3年生で、すでに他の授業を通じてディスカッションに慣れてるからというのは影響しているだろう。
とにもかくにも、学生たちに助けられて、自分の役目は交通整理でいいんだなと思った。変に先生ぶる必要はなく、彼らが考えていることはどれも素晴らしいポイントをついているので、セッションでは彼らのインタラクションから互いに新しい論点について気づきを得て欲しいし、私は彼らの気づきをサポートするアシスタント役が適切なのだと思っている。
これが大学院の3時間のセミナーになればまた役割も変わってくるのだろうが、50分のセッションは短く、文献のファクトやロジックを細かく確認する時間は取れないので、多少大雑把でも、大きな話から日本社会への理解を深めてくれればいいのではないかと考えている。
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