April 17, 2017

韓国の婚前妊娠

Kim, Keuntae, 2017, "Trends and Determinants of Premarital Conception: Love in Korea", IJJS, 26(1), 23–38

住所変更で遅く届いた評論とIJJSを眺めてたら韓国の婚前妊娠の論文があり、手堅いながらも色々と勉強になった。

まず、記述的な分布から韓国でも婚前妊娠が増えていること、それに学歴差が伴っていること(ただしリニアではない)、これらは婚外出生が難しい東アジアの文脈を考える際に有用だった。分析はno birthをレファレンスとして婚前妊娠からの出生と結婚後の出生の競合リスクで、結果は早婚であること、親の学歴が低いこと、両親がいないこと、長子であることが婚前妊娠による出生ハザードを高めるらしい。ただし、韓国では9割の婚前妊娠が中絶に終わるらしく(Kim Choe and Kim 2007)、これは検討外。

結局生まれてきた場合しか捉えきれてない点は、社会調査の性格も考えると難しいかもしれない。中絶するか生むかの間にある階層差は小さくないだろう。日本ではどうだろうか、婚外出生が難しい東アジアという点は知りつつも、韓国で婚前妊娠が増えていることは知らなかった。

この論文では、婚前妊娠による出生が増えているというのが、婚前妊娠が増えているのか、それとも中絶が減っているのか、区別されておらず単に増えているとなっているので、日本のとも合わせて後で調べておきたい。

婚前妊娠で参照したほうがいい文献はひとまず以下(順不同)

England, P., Shafer, E. F., & Wu, L. L. (2012). Premarital conceptions, postconception (" shotgun") marriages, and premarital first births: Education gradients in US cohorts of white and black women born 1925-1959. Demographic Research, 27, 153-166.
South, S. J. (1999). Historical changes and life course variation in the determinants of premarital childbearing. Journal of Marriage and the Family, 752-763.
Plotnick, R. D. (1992). The effects of attitudes on teenage premarital pregnancy and its resolution. American Sociological Review, 800-811.
Hofferth, S. L., & Goldscheider, F. (2010). Family structure and the transition to early parenthood. Demography, 47(2), 415-437.
Michael, R. T., & Tuma, N. B. (1985). Entry into marriage and parenthood by young men and women: The influence of family background. Demography, 22(4), 515-544.

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