http://www.hup.harvard.edu/catalog.php?isbn=9780674034907
地理的移動や大学進学に伴うindependent life stageの登場が、アメリカの若者のunion formationをいかに変えたかを歴史的に追いつつ、センサスから客観的なデータも出し、時折インタビューも混ぜており、とても面白かった。homosexualityが人間社会の起源から見られたものであれば、なぜgay rightsは90年代アメリカで認められるようになったのか、個人の権利の尊重であればなぜ100年前に起こらなかったのか、という問いの立て方は面白い。彼はそれを人口学的要因、つまり親から自立して生活するindependent life stageの登場と結びつける。同性愛に限らず、異なるエスニシティ間のunionもこれで説明している。ホモガミーのメカニズムを説明する枠組みとしてはKalmijnの選好、機会構造、第三者の介入の三つがあるが、ヘテロガミーや非伝統的な結婚を説明する理論らしい理論は社会的交換くらいしか知らない。Kalimijnの枠組みに無理矢理結びつけようとすると、independent life stageの登場は第三者の介入に分類されるのだろうか。ただし、自律性や寛容性の浸透というのはこの枠組みでは説明できない気もする。
この本を読んで、アメリカでも親の介入は結婚に対して、特に非伝統的な結婚に対しては強く働いていたことが分かった。さらに親の介入という視点を入れると、やはり配偶者選択の社会的な側面を考えるには結婚タイミングのような一時点ではなく、親の介入の仕方の多様なパターンにも注目しなければいけないと痛感した。日本では、見合い結婚と恋愛結婚の二項対立がしばしばいわれるが,実際には恋愛結婚に移行しても親の介入は残っていただろうし、見合い結婚が優勢だった時代に恋愛の要素がなかったというとそうではないだろう。このように考えると、配偶者選択を社会学的に分析する際にはUnionをプロセスとして理解する事が重要だと改めて思った。
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