August 16, 2014

ケルンで出会った人

GESISではNuffieldのJuta Kawalerowiczさんにお世話になったのだが、彼女の英語がしっかりとしたブリティッシュだったので、イギリスで生まれたものだと思っていたら、ポーランドで生まれ、大学の時にイギリスに移ってきたらしい。当時はポーランドのメディアにも触れていたが、今では英語ばかりだという。そんな彼女の研究テーマはpolitical violenceというもので、最初聞いた時はよく分からなかったのだが、具体的には暴動や社会運動のことを指すようだ。

彼女の指導教官はMichael Biggsという人で、彼はハーバードでSkocpolのもとで博士号を取得している。いわばJutaは現代の政治社会学の巨頭の弟子の弟子にあたる。そんな彼女はBiggsと共著で、2011年にあったロンドン暴動の逮捕者がどのような地域の出身であるのかについての計量的な分析をしている。こうしたイギリスないしヨーロッパで政治的にホットなテーマを計量で分析するというのは、私の考えるNuffieldの十八番なのだが、家族なんかを研究しているとやはりテーマの社会的、政策的重要性に若干の羨望を感じてしまう。

Kawalerowicz and Biggs. 2014. Anarchy in the UK: Economic Deprivation, Social Disorganization, and Political Grievances in the London Riot of 2011

と、多くの場面でお世話になったので宣伝しておく。余談になるが、GESISセミナーの終わりにパーティがあり、バンド演奏の途中でクラブ状態になった。そうした経験は初めてで若干遠目で見ていたのだが、Jutaから'is it unusual in Japan?'などと揶揄われてしまった。そんな彼女も含め、普段はまじめに勉強している人たちも踊りだしていて、こういうオンとオフの切り替えになれていないことを痛感すると同時に、平日も6時まで働いてパブに行く、であったり、特別なイベントの時には日常を忘れるという、日常と非日常が地続きになっている文化も良いなと思った。日本の院生だと、飲み会でしっぽり指導教官の愚痴を言って終わりそうなものだが、そんなの忘れて踊りふけるのも悪くない。いつかここであった人たちと、何よりJutaと再び会いたいと思うフランクフルトの夜。

メモ
Multiple ImputationとMTMMについての参照ページ
http://www.ssc.wisc.edu/sscc/pubs/stata_mi_decide.htm#AreMyDataMCARMARorMNAR
http://www.socialresearchmethods.net/kb/mtmmmat.php

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