今日は夜九時半からとある大学の一次面接がオンラインでありました(A大学としましょう)。この面接で印象が良ければ、おそらく対面のジョブトークに呼ばれます。面接にいたのは4人の先生、一人が社会学ではない先生でした。20分と聞いていたので、なんとなく前半は研究、後半はティーチング、余った時間で僕から何か質問という流れをイメージしていたら、予想通りの順序になりました。
最初に、うちの大学に就職するとしたら、どういう研究をしたいかという質問。早速予想していない質問から来ましたが、おそらく大学に来ることをイメージできているかの探りを入れたかったのかなと思います。A大学にはアジアの研究をしている人が多いので、そこをプッシュしました(し、それは本心です)。研究に関しては、意外としっかりペーパーを読まれていたという印象です。最後に書きますが、書き上げて1年以上経っている論文を情熱的に語るスキルは結構大切な気がします。君の論文読んでこういうこと思ったんだけど、どう思うかなみたいな質問をもらって、少し戸惑いましたが、返答は一応納得してもらえたような気がします。
次のティーチング関連の質問は少しやらかした感じ。最初に聞かれたのが、統計の授業を教えることになると思うけど、統計が得意な人もいれば苦手な人もいる生徒に対して、どのようにアプローチしていくか、という質問。統計の授業を教えたことがないので、実経験がないのも良くなかったかもしれませんが、全く予想していなかった質問だったのでテンパりました。ひとまず、自分は数式が得意ではないし、社会科学の授業であれば大切なのは実社会の問題からツールとしての統計を学ぶという順序だと思うという(それ自体は本当に思っているけれど何故か突発的に出た)考えを開陳しましたが、その後が続かず、確固たるteaching philosophyを持っていないと思われたかもしれません。後から振り返ると、学生同士で一緒に問題を解かせるとか、いろんな言い方があったように思います。普段からあまりティーチングについて考えていないことが仇になりました。この辺り、ティーチング量の多い州立大出身の院生の方が分があるかもしれません。もちろん、普段からこういうことを考えられていない自分がよくないのですが。
最後に、自分から聞きたいことはないかというコーナー。正直にアメリカから離れることへの懸念と、それをどのように克服してきたのかという質問をしました。ある先生の心に火をつけてしまったみたいで、2分くらいその人の経験をシェアしてもらって勉強になったのですが、自分が話すべきという面接の本来の目的からは少々外れてしまったかもしれません(まあそれくらい核心をつく質問だったのかもしれず、逆に印象には残ったかもしれません。zoomのミーティングタイトルが9-11時になっていたので、おそらく自分の前に一つ面接があったのだと思うのですが、あの熱量からは、前のインタビューではそういう質問はなかったのかなと思います)。もう一つ、自分の研究関心を踏まえて、どのような研究機関やアカデミックなコミュニティの存在に気づいておくべきかという質問をしました。
基本的に、ネガティブに聞こえるリスクを承知の上で、自分がその大学に就職したとしたら正直に気になる点を正直に話す戦略を取ったのですが、表面的な質問をするよりは、良かったかもしれません。大学内外のリソースとして何があるかという逆質問に対して、A大学の近くにあるB大学のこのセンターは君と同じ関心の人がたくさんいるよと言われ、自分はさすがに違う大学の話をするのはアレかなと思って自分から話題にはしなかったのですが、なるほど、そうくるかと思って、今年はB大学は誰も雇ってないんですよね(笑)みたいなノリで返答したら、苦笑いぎみで少しウケました。雰囲気的にそれくらいはぶっちゃけて話せる空気は感じたので、意外とうまく行ったといえば行ったのかもしれません。
感想としては、ライティングサンプルが意外と読まれていることに驚きました。「論文の知見で驚いたことは?」みたいなことを聞かれたのですが、正直3年前に分析が終わって2年前に投稿して1年前に出版された論文に対して、そこまで自分はライブ感を持って語れないというのが正直なところです(が面接では、すごくエキサイティングな雰囲気で知見を語る自分がいて、我ながら滑稽でした)。自分の論文を審査者が読むように批判的に読み込んでみる必要があるなと、今後に向けて反省になりました。
総じてサポーティブな雰囲気の中で最初の面接を経験することができて、とてもいい勉強になりました。
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