Twitterで炎上しかけている内閣府「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」には、知り合いの研究者がたくさん入っているのですが、そのうちで小林先生の提出した資料で「壁ドン」を含めた恋愛・結婚支援の文脈で導入することが書いてあって、批判されています。軽率だと思いますし、研究会にいる先生もそう思ったのではないかと思います。
ただ、政府の出生・結婚支援策は基本的にpronatalistだと思うので、その意味では壁ドンと婚活パーティーも似たようなものに、個人的には見えます。出生・結婚支援策が研究者も入って進められている背景には、結婚・出産を希望している人と現実の間にギャップがあるからです。
個人的には、希望と現実の間に差があるとすんなり認めるよりは、個人的には希望のニュアンスを見た方がいいと思います。よく引用される社人研の出生動向基本調査の結婚希望ははい/いいえの二択ですが、他の調査だと一定数が「まだ考えていない」「どちらでもよい」と答えています(Raymo, Uchikoshi, and Yoda 2021)。聞き方によっては希望と現実のギャップも違って見えてくるので、二択の質問でpronatalistな政策を進めるのは、早計だと思っています。
No comments:
Post a Comment