4月1日になりましたが、着任できるポストはないので、今やっている研究についてつらつら書きます。博論は、最悪今のままでもいいかなと思っているのですが、ひとまずあと2年はいるので、ちまちま博論をアップデートしつつ、博論後を見据えた研究をしているところです。
最近のエフォートで言うと、3割を(1)高校生の進路選択の男女差に関する研究、2割を(2)社会ゲノミクスに使っています。東大社研の後援を受けた研究会はすでに報告書を書くだけになっていますが、スピンオフで(1a)複数の地域の高校を対象とした、高校生と教員を対象にしたインタビュー調査、(1b)全国の高校教員を対象にしたサーベイ実験、(1c)女性の浪人ペナルティの研究、(1d)大学学部レベルでみた選抜度と女性割合の関係に関する論文を進めています。加えて(1e)報告書と(1f)博論の第3章の改稿があります。今週は(1a)のための研究助成の申請書を書いていました。
(2)は主として、(2a)きょうだいで遺伝子データが揃っているサンプルを使って、親の遺伝子をimputationする分析を進めています。手法自体はすでに確立し、パッケージも出ていますが、実際に分析するときには、少々細かい作法が必要です。Add Healthでimputationをしています。加えて(2b)日本サンプルを対象に教育GWAS/PGIの作成にも取り組んでいます。今週はこのミーティングなどに時間を使っていました。企業とのコラボをしています、楽しみです。(2c)博論第1章の改稿と合わせて、ゲノミクスはこれくらいでいいかなと思っていたのですが、先学期TAをした先生から遺伝的祖先とスキンカラーを考慮した(2d)racial identificationと(2e)racial segregationの研究を誘われて、リードするかは微妙ですが入ることになりました。imputationが完了した暁には、多分他のプロジェクトにも巻き込まれます。
一応家族人口学者としてのアイデンティティは失っておらず、(3)日本の家族形成と格差・不平等の研究もしています。具体的には(3a)きょうだい地位による同類婚、(3b)健康状態と結婚へのセレクション、(3c)学歴同類婚と所得不平等の関係に取り組んでいますが、主として共著者側の理由で頓挫しているのが現状です。(3d)従業上の地位と出生と(3e)lifelong singlehoodの研究は夏に再開したいと思っています。(3f)新書の執筆も、ここに分類されるかもしれません。
ほかにも頓挫しているプロジェクトはあるのですが、ひとまず上記がメインかなと思います。Diverging destiniesの話の延長で、離婚の学歴差がなぜ生じているかに興味が湧き、最近はその論文も書いてます。
一応、博論は(1)高校生の進路選択の男女差(2)遺伝的ポテンシャルと社会移動(3)学歴同類婚をそれぞれ1章ずつ扱っているので、大きく研究関心が変わっているわけではなく、論文にならずにひたすら拡大しているという感じです。自分の予定では、卒業するまでに大体全て終わるはずなのですが、どうなることやら。
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