November 19, 2017

Dataverseプロジェクト

King, G. (2007). An Introduction to the Dataverse Network as an Infrastructure for Data Sharing. Sociological Methods & Research, 36(2), 173-199.

・オリジナルデータから分析結果を再現することは無理
・第三者機関を通じて再現用データを共有するのが合理的
・再現性ポリシーを持ってる雑誌の論文は3倍引用される。
・公的に認知される形で共有データをciteできるのが重要、著者の許可なくデータを利用できるようにするべし。
・ただしある程度の認証は必要
・認証がなくともデータの存在を確かめられることが重要
・データが論文で使用されたものと同じか検証できるようにすること
・以上を将来的に継続すること
・手続きは簡便にすること
・データに法的な保護を与えること

らしいです。

Freese, J. (2007). Replication standards for quantitative social science: Why not sociology?. Sociological Methods & Research, 36(2), 153-172.

アメリカ経済学会は掲載と同時に再現用データとコードを提供することをポリシーとして義務付けているのに対して、アメリカ社会学会はあくまでCode of Ethics(CoE)に規定している倫理的な事項で個人の努力義務。社会学は「個人的な」ポリシーから経済学のような「社会的な」ポリシーに移行するべき。

Freeseは想定されうる反論を6つあげていますが、基本的にどれも再現用データを公開することのデメリットは少なく、むしろメリットの方が大きいことを指摘しています。ただ、2017年時点でアメリカ社会学会はいまだにCoEに調査終了後データを何らかの方法で利用可能にすることが望まれるという点しか書いておらず、再現性については何も言っていないに等しい状況です。

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