午前中は勉強会。Preston et al.(2001)の生命表と多重生命表の章を読む。個人的にこの勉強会をしているのは多重生命表が読めるようになりたいからだったので、大方の目標は達成されたことになる。
何が読みたかったかというと、(そもそも多重生命表を用いた論文として死亡に関心がない自分はこれくらいしか知らないのだが)、社人研の岩澤さんの論文。
岩澤美帆「失われた結婚,増大する結婚 : 初婚タイプ別初婚表を用いた1970年代以降の未婚化と初婚構造の分析」
www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19823101.pdf
多重生命表を応用して、どのタイプの結婚が増え、減っているのか(見合いかどうか、親と同居するのか、同棲してからかどうか、相手の学歴や年齢はどうかなど)を分析している。人口動態調査で1935年から15-49歳までの初婚数がわかるため、1985年まではコーホート年齢別結婚率mを期間の年齢別未婚人口分の同期間に発生した初婚数で近似的に求め、1985年以降については人口動態調査を用いたコーホートの年齢別初婚率から近似させているようだった。
今回の勉強会で懸念にあがったインターバル中にイベントを経験する人のperson-year(a)の求め方については簡便のためn/2(5年インターバルなので2.5年)になっています。これは、一番シンプルな方法で、どうなのだろうか。死亡は色々と借りられるものがあるようだが、結婚については少ないのかもしれない。この辺り勉強会をしなかったら気にならなかっただろう。
分析は記述的ながら面白いのだが、結婚の「多重化」をする際に、出生動向を使って分布出してるところが気になる。というのも、サンプリング調査を用いているのに誤差を考慮しなくていいのだろうか。やはり、ブートストラップとかを使えばいいのでしょうか。
それと、例えば学歴同類婚が減っているというのは、学歴分布の変化自体にも影響を受けていて、それを生命表は考慮できないので、あくまで記述的な方法かなと思った。
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