July 30, 2016

中国とアメリカ

いまいち論文書く気になれないので日記。
今日はICPSRが企画したデータワークショップに参加。China Multigenerational Panel Data (CMGPD)というやつで、要約すると清王朝時代の中国における戸籍データを用いて、人の移動や世代間の社会移動などの分析をしようというもの。データセットをつくったのはUCLAからHKUSTに移籍したCameron Campbellらしいが、今日は歴史学系の教授一人と、社会学者のXi Songの二人がインストラクターとしてきてくれた。SongはUCLAでMareの指導のもと、多世代社会移動に関する研究で博士号を取っている。今日の話は結構面白く、社会移動研究に人口学的な要素を積極的に入れようという気持ちが伝わってくるものだった。例えば、十世代前の社会に10人の人間がいたとして、階層的に序列付けられているとする。これだけを見れば一世代の分布だが、各人が世代を継承できるかは一様ではない。つまり、子孫をたくさん残す人もいれば、そうでない人もいる。家系が途絶えてしまった場合には、その人の出身階層が次世代に与える影響は無くなる。このように考えると、子孫を大きく残した人の階層の影響力が大きくなると考えられる。さらに、現代では階層が高い人の方が平均的な子ども数は少ない傾向にあるので、資産が集中する傾向にあるかもしれない。みたいな話。時点を長くとればとるほどデータの正確性は損なわれるが、その分人口学的な説明の影響力は大きくなるという印象を持った。

ここまではワークショップの話。そのあとサッカーを見に行ったのでデータの分析パートは途中退出。もちろん、中国人ばかり。Songは関心がかなり近いので話しかけてみようと試みたが、周りに中国の学生が中国語で話しかけていたのでなかなか入りにくかった。帰り際に数分話したが、日本で同類婚のことをやっているであったり、多世代社会移動の話には興味を持っていたという旨を話すとreginal comparisonは重要だからと言ってくれた。まあ、話したけれどそれこそ日本では歴史人口学の人たちがやっているので、、、と思ったが、社会学なら社会移動とすれば意外とできるだろうか。時点を長くとればとるほどデータの正確性は損なわれるが、その分人口学的な説明の影響力は大きくなるという印象を持った。

今日Songに言われたことも考えると、日本を主軸としてやりつつも、それだけだと地域としては弱いというか、階層論、人口学には中国からの研究者が山のように入ってきているので、バリエーションの出し方としては東アジアの地域比較も念頭に入れておくのもひとつなのかなと思った。

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