December 23, 2012

「日本のお金持ち妻研究?」


 せちやまゼミの12月3日の課題文献は森剛志・小林淑恵による「日本のお金持ち妻研究」(東洋経済出版社,2008)だった.

 この本は日本のお金持ち妻のイメージ(容姿端麗で専業主婦だったり,豪邸に住み優雅な生活をしていたり,ブランドものが大好きだったりなど,だいたいは芸能人のイメージを反映しているだけで,実態は違うというのが本書の趣旨である.)を日本の高額納税者(納税額3000万以上=年収1億以上の6000人,納税額1000万以上=年収3000万相当に無作為抽出で1000人)にアンケート用紙を配布し,その実態を調査することで,これらのイメージを修正しようとしている.
 実態として浮かび上がってくることは,回答者である妻は自分のことを容姿端麗だとは思っていないとか,容姿端麗であるはずの職業の人はごく僅かで,大半が夫と同じ職場で知り合い結婚するかお見合いで出会う育ちの良い「深窓の令嬢」タイプの女性であること,またブランドものなどの消費はイメージ程されておらず,しっかりと家計を守る節約型の妻が多いことや,夫と同じ会社を経営するなどして3割が年収1000万以上,などである.


 こうした事実を並べられて,なるほどお金持ち妻のイメージが変わりました!と言いたいところだったのだが,この本には致命的な欠点があった.それは調査の回収率だ.
 
 上記の通り,億万長者6000人と準億万長者1000人の計7000人に調査票を配布しているようだが,回収率は118通で1.7%に過ぎず,有効回答数は108通だ.これだけ低い回収率の本を商業出版すること自体,非常に危険なのではないか,つまり本当に対象としている層を的確に捉えているかどうかは甚だ怪しい.ブランドものに消費を尽くすようなイメージ通りのお金持ち妻がアンケートに答えないことを予想するのは難しくない.このような決定的な欠陥を抱えているこの本だが,ネット上ではそれなりに評判を得ているようだ.


 この本を紹介したブログ等も見ていくうちに,この本はほぼ確実に「玉の輿に乗るためには」「容姿より知性が重要だ」ということを言っている(だけの)本と解釈されているということが分かってきた.この本は「「お金持ちの妻」になるための視点」から書かれたものではないと冒頭で述べているにも関わらず,「現代版玉の輿に乗るのはどんな女性?」と帯で煽りを加えている.この本が学術的に見てどれだけの価値があるものなのかという議論だけでも話は尽きない(?) 気がするけれども,一般書として出版された以上,このような書籍がいかにして社会的現実を構築していくかという視点も無駄ではないように思われる.結論から言えば,レビューサイトやブログではこの本の「美貌の妻が見初められ玉の輿に乗る結婚というのは例外的だ」という点ばかりが強調されている.調査に回答した玉の輿妻の8割以上が50代以上であり,結婚のきっかけのうち見合いが45% を占めるようなサンプルから容姿がすぐれているということが含意されている「芸能人・タレント・モデル・スチュワーデス・コンパニオン」を「玉の輿に乗れそうな職業分類」として,それがわずか1.9%,さらにその中で自分のことを容姿は良かったと回答する人が全くいなかったことだけをもって成り立っているこの主張ばかりが世間に流布していることに恐怖感に似た感情を覚えるとともに,社会にとって都合の良い情報だけが声高に反復される状況に対して,社会学は何ができるのだろうかと,悩み明け暮れる夜を過ごした.

[Amazonレビュー]
レビュー2 ☆☆☆☆☆
超、俗っぽいテーマを、大学の先生が真面目に研究してるところが何とも・・・。
容姿端麗をどんな風に測るのかが参考になりました。美貌を磨くより知性を磨いた方が近道だそうです。

レビュー3 ☆☆☆☆
「お金持ち」=バブル的なイメージがありますが、現実のお金持ち妻の人生哲学とお金との関係をかいまみれました。もう衝動買いはしません。

そして「お金持ち妻」とは20~30代で中々お目にかかれない令嬢系か
モデル級と思っていましたが、そうでないことが良くわかり、子育ての参考になりました。

お金持ちを見つける方法ではないですが、こんな考え方や生活をすればお金持ちの妻として十分幸せを掴むに値する、と納得させられ内容でした。

婚活前に良いと思います。人生バイブルです。

レビュー④ ☆☆☆☆☆
ツボにはまれば隅から隅まで読み応えアリ。仕事を頑張って自分でお金持ちになるか、それともお金持ち夫人になるか・・っていう女性の悩みというかジレンマに、初めて明確な答えを与えてくれた名著だと思う。一番面白かったのは、離婚してお金持ちになった女性医師のお話し。佐藤愛子の本は色々読んでいたけど、紹介されていた「血脈」も読んでみたくなりました。

[この本を書評,紹介したwebページの記述]
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/10/post-845.html
このサイトは書籍の要点を以下の三つにまとめている.
・美貌を磨くよりも知性を磨いた方がお金持ちの妻になりやすい。
・多くの富裕層が収入より遙かに低い支出で生活している。
・投資と節税にポイントを置いた経済活動の具体例

http://youpouch.com/2012/08/30/79491/
そんな記者の疑問にずばりと答えてくれる『日本のお金持ち妻研究』(森剛志・小林淑恵著、東洋経済新聞社、2008)という書籍を発見しました。あわよくばお金持ちと結婚したいと思っている女性にとっては「お金持ち妻」の実態がわかるし、お金持ちになりたい男性は、どんな女性と結婚すれば良いかがわかる、優れた書籍だと感じましたので紹介します。でも、はっきり言えば、「お金持ちと結婚して、エステ三昧! ブランド品を買いまくって、子育てはシッターさんにお任せよ!」と思っている女性は、この本を読むと戦意喪失するかもね。

■容姿を見そめられて結婚した人はほとんどいない
もったいぶらずにさっさと結論を言いますね。この本によると、日本のお金持ち妻も、美女だからお金持ちと結婚できたと答える人はほとんどいないそうです。容姿を理由に結婚した人がいるかどうかを確認すべく、アンケートに結婚前の職業を聞いたところ、玉の輿に乗れそうな「芸能人・タレント・モデル・スチュワーデス・コンパニオンなど」という華やかな職業についていた人は、1.9%という結果でした。しかもこの1.9%の人に、結婚当時の容姿をアンケートで聞いたところ「容姿はよかった」と回答した人はいなかったのだそう。「玉の輿仮説」、「同類リッチ婚仮説」、「糟糠の妻仮説」のなかで、「玉の輿仮説」だけは、あっさりと崩れたのです。日本においても、容姿は武器にならないということが、検証されたわけです。

http://www.j-cast.com/2008/10/19028758.html?p=all
 富裕層の妻に焦点を絞った「日本のお金持ち妻研究」(東洋経済新報社)にはこんなことが書かれている。
「美貌の妻が見初められ一躍玉の輿に乗る結婚というのは例外的だ」
お金持ちと結婚したいと思っている若い女性たちは、美貌を磨くよりも、まず知性を磨いた方が、はるかにお金持ちと結婚する近道で王道、というのだ。調査の職業分類には芸能人、タレント、モデル、スチュワーデスなど玉の輿に乗れそうなものもあったが、該当者は1.9%。しかも、1.9%の中で「容姿はよかった」と回答した人はゼロだったそうだ。

http://zenchuren.jugem.jp/?eid=106
おはようございます、仲人の舘です。
「日本のお金持ち妻研究」という本があります。
この本によると、美女だからお金持ちと結婚できたという女性はほとんどいないそうです。
結婚前は非常に仕事熱心だった女性が多いとのこと。
また、お金持ち妻に共通する特徴は「見栄っ張りではない」ということらしいです。

その他の紹介サイトでも,似たような記述が散見された.
http://plaza.rakuten.co.jp/sakuranomi/diary/200910110000/
http://yukizoudesu.blog44.fc2.com/blog-entry-16.html
http://shoiko.com/wp/2011/138.html




https://www.paburi.com/paburi/bin/product.asp?pfid=20234-120266323-001-001

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