September 4, 2025

矛盾する気持ちのバランス感覚

 就活も3年目に入ると(プリンストンの先生からは就活は5年かかるつもりで計画しておくようにと言われたので、ようやく半分というところ)、「今年テニュアトラックのジョブが取れなかった場合は今後1-2年どうやってやりくりしようか」と条件反射的に考えてしまうようになります。このご時世なので、今後社会学でも2度目3度目のポスドクは珍しくなくなってくるんじゃないかと思うことで、未来の自分を正当化するようにもなります。

「背水の陣」という言葉は、耳にする頻度に比してそういった状況に陥る人は実際には少ないのかもしれません。誰しもプランBを考えます。現実にはプランBさえも難しいわけで、外から見れば延命治療にさえ見えるプランCを考えることで、プランAが成功するという期待をそもそも持たずにプランAを実行することになります。本当に、粛々とです。ジョブが出たらエクセルに記録して、そのジョブに就いたときの自分を想像して、幸せなイメージができたら公募の書類を進めます。幸せな自分を想像する瞬間というのは、年数を経るにつれてだんだん短くなり、可能性を過大に見積もらず、それでもその可能性が実現した時の自分を想像するという、矛盾した状態になっていきます。

公募が出たときに一喜一憂しないことと、その公募をみた瞬間の自分の直感を信じて可能性を見出す、この二つは矛盾しつつも就活の際には不可欠な要素なのではないかと思うようになりました。この種のバランス感覚は、不確実性の高いキャリアを志す場合一般において重要な気がします。

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