一時帰国中に予想通り食べ過ぎたので、アメリカに戻ったら体重を戻さなくてはいけない。体重を戻したいのは、痩せたいというより、今着てる服を着れなくなるのは勿体無いから。日本でいつ「痩せる」が望ましさを含むようになったのか知らないが、アメリカでは体重は人種化されているので体重について語るのにはセンシティブでなくてはいけない。人口学の大学院セミナーでも、BMIをアウトカムにする公衆衛生の論文は批判理論を知る人には常に批判されていた。自分も最初はなぜこんなに批判されるのかわからなかったが、今はわかる。社会学では対象とする現象が社会的に構築されることを強調するが、日本よりもアメリカの方が、日常的にそうした構築されたものの構築性が前面に出てくる。人種という概念自体が構築されたものと考えることもできるが、個人的には人種という概念の上に無数の構築物があり、アメリカでは人種は社会的なアイデンティティだと思う。恐らく社会科学の中でも社会学はこうした分析に用いる変数の背後にある我々の暗黙の想定にクリティカルになれる機会を提供してくれる学問だと思う。そのため、そういう批判的視点を提供する批判理論の研究は大切。社会学の計量アプローチができることの一つは、こうした理論を踏まえた数量化(quantification)にある。
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