月曜日は修論を書いて、4限のゼミで相談、先生のコメントを踏まえて修正して原稿を友人に送るまでやる。そして深夜から書類作成。これが4時くらいまで続き、翌朝の通学は断念。11時頃起きて、おでんを食べたりしながら(近所の弁当屋の弁当が売り切れてた)、書類を書く。2校分提出してずいぶん脱力、5時過ぎから作業を再開して、6時前に家を出る。7時から、以下のセミナーに参加。
The Geographies of the Sharing Economy (IHS Project 5: Critiquing Diversity Seminar Series)
このセミナーに参加した動機は、シェアリングエコノミーが都市空間や都市の経済を変容させていく過程について関心があったのだが、報告内容はそうした予期とはやや異なる展開に進んだ。報告では、具体的なフィールドの説明よりも、Airbnbのホストに対してインタビューを行った調査から、こうしたサービスに参加する個人が、見ず知らずの他人を自らの家に泊める過程で自身のアイデンティティや主観性に対してどのような変化を経験するかであったり、観光産業に広く浸透している評価システム(rating system)がAirbnbのようなサービスに対して持つ意味などが報告された。個人的に興味深かったのは、Airbnbでは評価の対象がホテルやサービスではなく「人」そのものであるという点だ。ホスピタリティ自体が評価の対象となるが、それを提供しているのはホテルの従業員ではなく、所有者であり、居住者であり、ホストである個人である。評価が個人に直結するため、Airbnbなどのサービスが個人の自己認識に対して与える影響は大きいという。このように、評価システムの中で規格化される観光産業の中でも、Airbnbのようなシェアの論理に支えられた行為は異なる位相にあることが示唆された。
セミナー自体は非常に興味深いものであったが、私自身の関心から、今後以下のような点についての検討がなされることを願っている。今後、インターネットを介してますますシェアの論理に支えられた経済活動が増えていくだろうと考えられる。観光産業にかかわらず、Uberなどのシェアリングエコノミーに分類されるサービスが日本でも普及し始めている。これ自体は、グローバルな伝播過程をたどるだろう。気になるのは、そうしたサービスがどのような土着化を経るかである。例えば、日本でAirbnbのようなサービスを展開しようとしても、法的な規制から北米やヨーロッパとは異なる展開を見せるかもしれない。今回の報告では、調査対象値の具体的な設定について述べられることは少なかったが、今後は異なる地域によるシェアリングエコノミーの普及過程の比較が検討されてほしい。
もう一つは、こうしたシェアの論理を一つの文化消費として捉えた時の方向性である。少なくとも日本では、シェアの論理に支えられた行為には世代差があるように思われる。若い世代は、身近な友人たちとシェア的な行為をすることにためらいは大きくないと考えられるし、その延長で、シェアリングエコノミーのサービスに積極的にコミットするかもしれない。シェア的な行為を一つの消費として捉えれば、そこには人口学的な特性の差があるだろう。いったいどのような特徴ー例えば学歴や年齢、エスニシティ、政治的態度ーを持つ人がこうしたシェア的な文化に接するのか、そうした研究が出てくることを願っている。
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