最近流行っているトピックの一つ。先進国のほとんどでは男性よりも女性の方が高等教育に進学する割合が高くなっており、構造的に伝統的な上昇婚が不可能になってくる。
高学歴女性がとる選択は、上昇婚志向を維持するか、それとも下降婚を許容するようになるか。前者に従えば(日本のように)未婚化(=非婚化)が生じるが、後者があるとすれば、下降婚が増える。この分野に関してはvan Bavelがリードしている。
Van Bavel, J. 2012. “The Reversal of the Gender Gap in Education and Female Breadwinners in Europe” edited by W. Lutz, K. S. James, V. Skirbekk, and J. Van Bavel. Vienna Yearbook of Population Research 10:127–54.
さて、このトレンドがグルーバルに見られるのかを検討したのが、本日early viewで届いた以下の論文。
Esteve, A., C. Schwartz, and J. Van Bavel. 2016. “The End of Hypergamy: Global Trends and Implications.” Population and Development Review 42(4):1–11.
要約としては以下の通り
・2010年時点の25–9歳の男女では、139カ国で女性の大卒割合が男性より高い。
・国ごとにみた女対男の大卒比と夫より学歴の高い妻の割合は正の相関で、男女の学歴差の逆転は未婚化ではなく妻下降婚を増加させると考えられる。
・ヨーロッパでは、同類婚・妻上昇婚と比べ妻下降婚カップルで女性の方が稼いでいる割合が高い。
最後の点は興味深い。おそらく日本だと、稼得能力にそこまで差はないような気がするし、例えば無職割合で見ればほとんど同じような気がした。結局、女性の下降婚が増えるというのが、ジェンダー平等をもたらすのか、それともジェンダー平等の結果としての下降婚増加なのかという点が鍵になってくると考えられる。
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