September 2, 2016

熊楠と熊野古道

二日目(1日は)南方熊楠ゆかりの地を訪ねる。写真だけだと伝わりにくいですが、一枚目が熊楠の墓地がある高山寺隣にあった猿神社跡。ここで熊楠は新種の粘菌アオウツボを発見したらしい。といった文脈を踏まえることで、神社合祀反対の面影を見ることができる場所。この旅で痛感しましたが、何の変哲も無い土地も、語り、伝承、物語、逸話、様々な表現がありますがそうした人々の中で共有されるストーリーを媒介することで、意味のある立体的な図になるのだということを思います。この一枚はただの緑地しか写していないように見えますが、その道の人の解説を加えると歴史の中に位置付けられる貴重な一場面となります。

熊野本宮にある湯の峰温泉の民宿に宿泊した後、三日目は本宮に移動して熊野古道中辺路(なかへち)散策。発心門王子から本宮大社までの約7キロの道を語り部の方と一緒に4時間。写真は道中にできた森林浴スポット。どうやら、熊野古道が観光的な色彩を浴びるようになった2000年代以降にできたような話でしたが、1000年以上の歴史を持つ熊野古道は時代の趨勢に応じて王子の数も変わったり、道ができたり、滅びたりしています。その意味で言えば、このような森林浴のスポットも時代の移り変わりを表す一枚なのかもしれません。数百年前にこんなところで森林浴していたら山賊に襲われて死ぬんじゃ無いかという気がします。ある意味で平和の象徴のような。寝るととても気持ちがいいです。写真に写っているのは語り部の方です。大変お世話になりました。


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