October 31, 2018

10月31日の記録:SGSA

今日は院生自治会の年次大会がありました。

組織の名前はSociology Graduate Student Associationで、SGSAとします。特に加入手続きはありませんが、一応社会学部にいる院生が全員メンバーということになっています。Chairを頂点として各学年に1人cohort representativeが選出され、彼らが月に一回ミーティングを行っています。私も、少し積極的になってみようかと思い、1年生のcohort repになりました。

ミーティングと並行して、いくつかのsub-commiteeがあり、各グループが院生の研究生活向上のためにいくつかの活動をしています。今日は年に一回の年次大会で、一年の活動報告と、次の一年に向けてのディスカッションでした。

報告は主に2つ。1つ目がひとつ目がプレリム委員会の報告です。うちの学部のプレリムは2つあり、伝統的な分野のAグループから(社会階層や歴史社会学)1つ選び、さらにAグループかサブフィールド色が強いBグループ(家族社会学や文化)からもう1つ選ぶことになります。多くはclosed-book(持ち込み不可の試験)で、ごく一部がtake homeになっています。あらかじめ決められた分野の試験を選んで、それを受ける形になります。

プレリプ委員会がアンケート及びアメリカのトップ25プログラムのプレリムを参照して、いくつかの提案を行うことになり、その議論になりました。

例えば、うちの学部では個人にtailorされた形のプレリムはありません。多くの学生が、プレリムを理想的には自分の博論の1章にしたいと考え、できるだけ学生が主体的に作ったリストをもとに問題を出してほしいという要望です。あるいは、今までのプレリムは暗記に重点が置かれすぎていて、広い知識よりも、サブフィールドのさらにサブな領域の深い知識を問うた方がいいという考えもあるようで、以上をもとにより個人に特化したプレリムにする要望を持っていくということです。

柔軟化にはclosed book形式をやめて、試験形式であっても持ち込み可にするべきという提案や、そもそもA/B群の分け方が恣意的なので、この分類をやめて1つ目は知識の広さ、2つ目は知識の深さを問うような形式にすることも議論されました。最後に、教員が具体的なプレリムの基準を設ける、例えばreadingリストを公開するとか、期待する勉強時間を明記することが提案されました。プレリムに寄って生じるストレスの多くは、その不透明さによるものであるという意見が多かったからです。

2つ目の議題は、この春(したがって1年生は対象外)に実施したclimate surveyの結果をもとに、学部との交渉をする前に議論が行われました。日本でも研究室によってはセクハラ講習会などをするかもしれませんが、そういう意味でのclimateです。つまり、各学生だけではなく、教員やスタッフが気持ちよく学部と携われるような環境の改善を目指しています。調査の結果、たとえば教員から不快な扱いを受けたとか、そういう場面を見た、あるいは逆に学生から教員に対してリスペクトを欠いた行動があったかどうかなど、学生と教員、スタッフ全員が対象となりました。

報告をもとに議論が行われましたが、お国柄というか、やはり議論の国なのだなと思う場面が多かったです。報告に対する質問をとって議決、みたいな雰囲気はなく、こうした方がより良い提案になる、こういった側面は考えなくていいのか、具体的な罰則としてはどのようなものを想定しているのかといった提案型の議論が多かったように思います。もちろん、全員が積極的に発言するわけではありませんが、議論の雰囲気は本当に院生が一体となっている感じがして、これが民主主義なのかと思いました。日本でも院生自治会の総会の場面で議論することはありましたが、発言する人は今回よりは少なかった印象がありますし、僕らもスタッフ(教員)が提案を受け入れてくれるとは半分あきらめていた節があった気がします。しかしこっちのミーティングでは、教員と学生が対等な立場に立ってより良い学部を作っていこうとする雰囲気を感じました。

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