May 28, 2020

5月28日

こっそりポッドキャストはじめました。駆け出し研究者2人と私が「話したかったけど話せなかった」人にこれまでの人生とこれからの研究について伺う緩めの番組です。

恥ずかしながらspotifyなどのポッドキャストを集めているウェブサイトは、rssフィードを経由して番組の情報を吸い取ってる事を今回初めて知りました(アップロードするものだと思ってた)。サーバーに負荷がかかってなさそうで賢いですね。ポッドキャストをアップするサイトはサブスクで儲けてるのが気に食わなかったので、自分のウェブサイトにmp3をあげてbloggerにエンクロジャーリンクで貼りました。

名前の由来:東大にいた時、となりの研究室が考古学だったんですが、結局一度も話す事なく終わったので、ああそういうとなりにいるけど、研究について聞いたこと事ない人って多いなあと思って、そういう人に話を伺おう、という趣旨です。

May 25, 2020

5月24日

22日は頭痛がひどくてほとんど作業にならず。23日は寝すぎて頭痛で同様。ただ諸々のミーティングと職域分離の論文の執筆を進めた。今日は学歴同類婚の論文の改稿、および職域分離も。この2週間は学歴同類婚の論文に集中する。並行して、covid, 2nd year paper, 職域分離、きょうだい同類婚など。

May 22, 2020

5月21日

4時ごろ寝て12時過ぎまで寝ている、こういうスタイルの生活を学部時代の友人に伝えたら「学生みたいだね」と言われた、れっきとした学生でございます。

ただ、今日は寝すぎて頭痛がひどく思い通りには進まなかった。頭が痛いと論文を読むことは難しいので比較的単純な作業。

covidのデータを更新。夏のプロジェクト用のペーパーを共有。その後メンターの先生から二人目のRAが決まったとの連絡。どうやら、これは元々あったインターンの代わりなので、8週間の間「フルタイム」で学生を雇えるらしい。そのフルタイムの定義は、先生によると毎日6時間。単純に計算して、5*8*6=240時間のRAとなる。まさかここまでの時間拘束できるとは思っていなかったので、仕事を考えるのがちょっと大変な気もする。およびミーティングの設定。

引き続き、東アジアセミナーの調整、ミーティングアジェンダの設定。どれだけ人が来てくれるのか不安なところもあるし、もしかするとオンラインでセミナーをするタイミングを逸した可能性もあるが、少なくとも今年いっぱいは学会もなくなるので、まだ遅くないと思うことにする。

細かい話では、地熱の件で一つトラブルがありfix。human resource的な問題。きょうだい論文についてメール上で議論。分析結果のリバイズの大まかな方針を固める。

日本における所得格差による居住の分離のデータセット作成を継続。すでに5年毎の国勢調査小地域集計についてはデータを集めていたが、今回はこれをマージ。これが難儀だった。文字コードの問題、データベースではない表の整形など。最終的に1995-2015年に渡る小地域集計から、住居のタイプ別に見た世帯数の変遷のデータを作る。これを元に、今後、住宅土地統計とリンクさせて居住分離の尺度を作成する。

その後疲れたのであつもり、そこからedrink。1年生コーホート とのedrinkも日程が被っていたが、今回のが先に入ったので遠慮。最近ややメンタル的に鬱っぽかったが、研究に関係ない大学時代の友人と関係ない話をしてだいぶ楽になった気もする。頭痛もなくなった。在宅中は不安になると誰も話す人がいなく閉じこもりがちになるので、メンタルの調子の維持は大変な気がしている。

ジョブマーケットが今後数年厳しくなることが確実視される中で、限られた財政状況で現役の学生の支援するために来年のアドミッションを中止したり採用予定者を減らしたりするプログラムの噂はちらほら聞く。アメリカの博士課程に入るのも、今後数年修羅になる気がしている。

May 20, 2020

5月20日

9時から収録。録音してないハプニング。初めてなので色々起こるのは仕方ない。収録してみて、「自然」に話しているラジオのパーソナリティには頭が下がる。その後インターンの人とのミーティングの調整。人を雇うことでできることは増えるけど、そのための準備は大変。ルームメイトが私の調理器具を壊す。ややそっけない対応。コロナデータセット作成、職域分離の論文イントロを書き共有、そのほか棚上げにしてたメール/twitterのDMの返信をいくつか。ハンドブックのアブストがエディターからokのサイン、よっしゃ。私の名前も以降目次案に載る、よっしゃ。ミーハーかもしれませんが、oxford handbookは非常にエキサイティング。その後income segregationのデータセット作成。

May 19, 2020

5月19日

今日は色々と話が進んだ。covid-19関連のプロジェクトのインターンは一人がアクセプトしてくれたのでミーティングの設定をする。東アジアの人口と不平等セミナーの話はオーガナイザーが決まりこれも週末にミーティングへ。ゲノムと社会的不平等に関するoxford handbookのチャプターはメンターからゴーサインが出たのでアブストを送付、締め切りは明確にはされてなかったが心理的には1週間ほどすぎていた感じがしている。

社会学部からは今年のアドミッションを中止して、浮いた分を在学生のファンディングに回すという連絡。つまり、2021年コーホートは存在しなくなる。かなりドラスティックだが、現役の学生は概ね評価している様子。これ以外にも、至る所で今年の入試でアクセプトする人の数を減らす話は聞いているので、どの分野でも今年から来年出願する人はかなり厳しい競争に晒されることになるだろう。

ここ数日covid関連でいくつか問い合わせがあった。老健の話、番組の話(友人がディレクターをやっているので、情報紹介みたいな)。fbに書き込んでいたのは意外と見られていたのかもしれない。

その後covid関連の論文のアブストを書き、風呂に入って性別職域分離の論文に。イントロの構成を少し整えて、バックに必要な賃金センサスの職業毎の男女給与格差のデータを作る。estatapi経由でやればかなり簡単だが、お世辞にも賃金センサスのデータベースの作り方は賢いようには見えなかったのでやや苦労する。職業ごとの男女の給与格差をまとめて見ようとしたら少し長くなりすぎた。専門職、それもスキルの高い専門職の方が男女の格差は小さいというYamaguchi (2019)の主張に合致する分布。これはざっくりとした指標なので、企業規模だったり、賞与を含めるとまた少し違って見えるだろう。ただ、大まかには言いたいことに適合的な分布、ただ長い。

長い


May 18, 2020

5月17日

カレンダーを見てみると、先週は11日に理論のレポートの締め切りがあり、その頃は本当に頭がてんやわんやでもう何があったのかよく覚えていない。机はリーディングで散らかり、ソファの上には着たのか着てないのかないのかよくわからない服、ローテーブルにはいつ淹れたのかわからないコーヒーと、どれだけ炭酸が抜けてどれが抜けていないのか区別がつかないダイエットコーク(大抵が「飲みかけ」)。大量のチェックしていないインスタントメッセージ。一つのことに集中するとこうなってしまうのは常のことだが、理論のレポートという私にとっては苦しみに満ちた課題をこなしていると、何のために私はこのオフィスワードに何時間もかけてよくわからないテクストからよくわからない主張を出しているのか理解に苦しむようになっていた。

提出してからすぐにゲノムのアブストなどに取り掛かろうとしたのだが、今日くらいまではあまり調子が優れなかった。正確には調子がいい日と悪い日の繰り返しで、それはこれからやらなくてはいけない作業の量に圧倒されて、時には賢者モードで「そんなん余裕っしょ」と思う一方、別の時には「もうマジムリ助けて…」となるモードの繰り返しと言った方が正確かもしれない。

しまいには曜日の感覚がなくなり、土曜日にやるはずだった日本語のボランティアを完全に忘れていた…というかその日が土曜日だと思わなかった。金曜の深夜までゲノムの論文を書いていて、起きた時には意識が朦朧としていたのか、その日が土曜ではなく、「何かの日の朝」にしか思えなかった。

今日は(朝4時に寝て)12時過ぎまで寝ていたが、よく寝た分調子は良かった。締め切り的に近かったのは夏のプロジェクトのインターンの審査と(正確にはよく締め切りがわからない)オックスフォードハンドブックのアブスト。ひとまず前者は半分程度読んでいたので、後半のアプリケーションを読んで評価していた。最初流し読んだ時には、どの応募者もさすがプリンストンの学生と思わせるくらい、エッセイの書き方がうまかったが、丁寧に読み込んでいくうちに徐々に差異化できるようになった。結果送った評価も、先生のそれとほとんど変わらないもので興味深かかった。何が興味深かったというと、私は別に採点基準も何も伝えられておらず、読んでインターンにふさわしい人を考えてくれとしか言われていなかったからである。共有されるような基準がない中でも評価が収斂するというのは非常に面白い。もちろん、成績といったわかり易い指標もあるわけだが、私もいつの間にか、良い評価をもらえるようなエッセイには良い評価をするようなdispositionを得たのかもしれない。昔も同じエッセイを見て、なんとなくいいな、という評価を下すことはできたのかもしれないが、アメリカで経験を積むにつれて「どうしてそれが高い評価なのか」を説明できるようになって気がする。繰り返すように、こういったトレーニングは受けていないのだが、日々の研究や授業などを通じて、自分の体にも語彙が身についてきたのかもしれない。

その後、ここ数日のゲノムのリーディングで得た知識をもとに、アブストを執筆して、メンターの先生に送った。アブストを完成させてから、走り、シャワーを浴びてローストビーフを作る。その後しばらくあつもり、今日は弟を島に呼んだ。こっちの夜10時、あっちの11時の予定だったが、その20分前に弟から電話があり、今から遊びたいと言われたので、後20分待ってと(まだ仕事が終わってなかったので)いったら「じゃあいいよ」と言われて電話を切られた。まあいつものことかなと思ってしばらく待っていたら11時ごろに電話があり、ごめんねと泣きながら言っていた(母親に怒られたのだろう、これもいつものこと)。その後弟の機嫌はすぐなおり(これが子どものすごいところだと思う)1時間ほど島の案内と散策、ゲームをしながら近況を聞いていたら、どうやら授業も再開するようなことを言っていた。これはこれでいい休日の過ごし方かもしれない。これからも、違うゲームで、弟とコミュニケーションをとることはありだなと思った。

今週書き上げる論文はきょうだい同類婚。それが終わったら学歴同類婚。おそらく地熱の改稿もあるだろう。covid-19のプロジェクトは、本業に支障がない範囲で少しづつ進めていきたい。今新しい知見を出すつもりはないが、もう少しcomprehensive/comparativeにきちんとしたことを言いたいと思っている。

May 17, 2020

環境形成を通じて遺伝子が社会階層へ与える影響

多くの遺伝子が寄与している複雑な形質、例として教育年数など、に対してはGWAS と呼ばれる手法 が発展したおかげで、現在までに無視できないレベルで遺伝子型(genotype)と表現型(phenotype)の関連があることが明らかになっています(Lee et al. 2018)。例えば最新の知見では、ヨーロッパに先祖をもつ集団に関して、教育年数は11-13%程度、遺伝的な要因によって予測されています。

これは個人が持っている遺伝的なポテンシャルが実際の結果をどれだけ予測するか、という指標なのですが、どのような経路(pathways)を通じて遺伝型と表現型が関連しているかは、そう単純ではありません。遺伝型と表現型双方に影響するような交絡がある場合には、両者の関係はspuriousなものになります(有名な例は「箸」遺伝子)。直接影響がある可能性もありますが、遺伝子レベルのポテンシャルが、アウトカムに先行する別の環境要因を誘発し、それがアウトカムに影響するという間接的な経路が存在するかもしれません(Gene-environment correlation, rGE)。

さらに、最近の研究で「遺伝していない」遺伝子も子どものアウトカムに影響することがわかってきました。これをgenetic nurture (Kong et al. 2018) と呼びます。具体的には、子どもは生物学的な親から半分の遺伝子を継承するわけですが、継承した遺伝子だけではなく、継承しなかった遺伝子(これらは全て教育年数を予測するもの)も子どもの教育年数に影響するのです。遺伝的なメカニズムでは説明できないこの現象をKong et al. (2018)ではgenetic nurtureと名付けました。これは要するに、遺伝していない親の遺伝子が家庭環境などと関連しており、その家庭環境を通じてnon-transmittedな遺伝子が子どもの教育達成に影響するというメカニズムを指します。具体的には、子育て(parenting)の影響などが現在指摘されています(Wertz et al. 2019)。もう少し踏み込むと、教育年数が高くなる傾向にある遺伝的なポテンシャルを持つ親は、子どもの教育年数に対してポジティブに働くような子育てをする傾向にある、ということですね、effect sizeは小さいですが関連はあります。

このようにgenetic nurtureはnon-transmittedな遺伝子の環境形成を通じた影響だと理解しましたが、つい数日前に出たMills and Tropf(2020)のレビューだと、transmitted genome とoutcomeに影響するenvironmentの関連(rGE)はgenetic nurtureと発想は似ていると書いてあり、なるほどと思いました。

つまり、子どもに遺伝していても、していなくても、親が持っているゲノムが子育てなどに影響する場合は全て環境を通じた影響になるということですね。したがって、遺伝的なポテンシャルと教育年数の関連をみる際には、その相関係数が能力や知能的なものを反映していると素直に考えるのではなく、どのような環境を通じて影響しているのか(+ゲノムとアウトカム双方に影響する交絡)も踏まえなくてはいけないと思いました。

以下、transmitted/non-transmitted ごとに社会階層論の枠組みでアウトカムへのpathwaysを整理してみました。社会階層論では、親の階層を出身階層(origin, ascribed status)、子どもが達成した階層を到達階層(destination, achived status)などと言ったりしますが、今考えているのは、ゲノムというのは親からの遺伝という意味でinheritedな特徴を持ちつつ、教育へのポテンシャルを考えると何らかの能力を測定している、その両面があるということです。以上の話では遺伝子と環境の交互作用(interaction)の話はありませんでしたが、階層論に関連していくつかメモしています。

Non-inherited genome
  • Genetic nurture (Kong et al. 2018)
    • 50% of the genome that are not transmitted to children do influence children’s realized education, suggested pathways are the family environment parents create based on the non-transmitted genome, like parenting (Wertz et al. 2019).
Inherited genome
  • Ability aspect
    • Polygenic score for years of education predicts 11% of the total variance of realized education. Related aspects (cognition, intelligence, and non-cognitive skills) provide similar estimates.
  • Origin aspect
    • Although half of the parent’s genome is transmitted from either mother or father to offsprings, the genome is still shared by parents so it may influence children’s education through the influence of parent’s genetics for the creation of a family environment (Gene-Environment Correlation, rGE, Mills and Tropf 2020). One study presented that the effect of the genetic potential for educational attainment on realized education is attenuated after controlling for social origins (Belsky et al. 2018), suggesting this might be the case.
    • This is similar to the genetic nurture argument (Kong et al. 2018) although this hypothesis itself is focused on the role of non-transmitted genes for children’s realized education  
Gene-environment interaction
  • Estonia’s example (Rimfeld et al. 2018)
    • Transition from the communist regime to the capitalist regime increased the contribution of one’s genetic potential for years of education to the realized education, suggesting that the meritocratic selection favors one’s merit and ability rather than the ascribed background.
  • Negative interaction between parent’s SES and genetic potential (Saunders hypothesis)
  • Positive interaction between parent’s SES and genetic potential (Scarr-Rowe hypothesis)

May 15, 2020

5月14日

学期が終わったのはいいが、いかんせん学期が終わってから取り掛かろうと思っていたことが多すぎて首が回らない(し実際に肩が凝って首が回っていない)。備忘録のために以下に進捗をまとめている。

(1)かれこれ5年くらいかけている地熱の論文が一度リジェクトの後、違う雑誌でRxRになったので、改稿している。これに加えて、(2)2nd year paperとして進めているゲノムと同類婚の論文については、まだゲノムのサブスタンティブな知識が追いついていないのでここ数日論文を読んでこの2年くらいの進展にキャッチアップしていた。(3)ゲノムに関してはメンターの先生ととあるハンドブックにゲノムと社会階層に関するチャプターを書くことになっていて、本当は先週くらいにアブストを送るべきだったのだが、停滞気味。これは今日明日中に済ませる。

(4)日本語の雑誌の特集依頼をありがたいことにオファーしてもらい、これについても進めている(といっても共著者に今は任せきりだが)。締め切りがだいぶ先なのだが、書き上げてもいいかもしれない。covidについても、(5)感染者と死亡例のデータベースプロジェクトに日本データを引き続き提供し、これに加え下記に書いているように(6)夏休みの間に疫学の先生との共著をする予定。この疫学の先生とは(7)日本における婚姻上の地位と健康に関する論文のアップデートを進めることになっていて、ここ数日議論があったが、私はまだキャッチアップできていない(ので今週末に追いつかなくてはいけない)。本業に近くなると(8)きょうだい構成と同類婚の論文を共著で進めており、これは原稿完成が近い。covid関連で色々遅延していたのだが、フィードバックが来たので私が改稿する番、しかし首が回っていない。週末に進める。(9)単著で進めている学歴同類婚の論文はアドバイザーからコメントが来て、私が改稿する番、これは来週。(10)とある先輩からもらった一件の連絡をきっかけに日本における所得によるセグリゲーションの分析も進めていて、データを作っている最中。これは今のところ優先順位は高くはないが、夏休みまでには結果を出したい。他に書き忘れたこと、ISAブラジルで報告するはずだった(11)学歴同類婚と不平等の論文、および(12)離家と家族関係の話はややスタック気味(学会が中止になったことも背景にある)。本当にストップしている13,14とかもあるが省略。

先日DPに出した性別専攻分離の論文はASAで発表予定だったのだが、予想通り学会は中止になった。しかしASAがオンライン開催に舵を切り出したことが判明、その際に私が参加者だけではなくpresider(オーガナイザーに指名されラウンドテーブルのオーガナイズをする役)になっていることに気づいた。全く記憶にない。流石に忙しくても自分が立候補したかどうかは覚えているが、全く記憶がない。ASAの担当者にメールするとI'm so sorry you didn't hear from the organizer...などと言われラチがあかない。オーガナイザーの先生にメールしたところ、どうやら学会が中止になることを見込んでいたが、もしやる場合にはビザ的な問題が不透明なので、アメリカの大学にいる自分を指名したらしい。確かにmake senseだが、にしても最低限、事前に一言言って欲しかったところだ。雰囲気的にはセッション自体を中止したいニュアンスを感じた。もともとin-personでやろうとしていたものをオンラインにできるかというと、やはり判断は難しいので、先生の言っていることもわかるが、こういう非常事態だからこそ柔軟に考える必要もある気がする。私も週末に考える。

さて、本題。今学期疫学の授業を取っていたことは既報の通りだが、covid関連で先生から共著に誘われた。covidをめぐる社会経済的地位による disparityに関するレビュー、および(これは私の提案だが)高齢者の死亡の国ごとの差を説明するプロジェクトの二つ。先生が所属する公共政策スクールの下にある健康に関する研究所が学部生向けのインターンプログラムを提供していたのだが、ご覧の有様でインターンは無理なので、代わりに教員の研究に関わるというRA的なインターンポジションを募集することになった。そこで今回のcovidプロジェクトも募集をかけることになり。先日締め切ったアプリケーションが届いた。と言ってももちろん私には届かないが、先生が私も名前があるので共有してくれた。アプリケーションを眺めていると、どの応募者もステートメントの書き方がうまい。こうやって学内インターンでもきちんと志望動機を書かせて、そのフォーマットは大学院入試やジョブハンティングにも生かされているのだろう。日本を含め他の国から留学する人の中には、志望理由の書き方に苦労する人もいるかもしれないが、やはり学部から受けているon the jobのトレーニングが違う気がする。教員もこうしたアプリケーションを読んで採用しなくてはいけないので一苦労だと思った。プリンストンは研究でも世界有数の機関だが、これと一見すると相反するリベラルアーツ教育も重視していて、教員は研究と教育の両方が求められるのだなと思った。プリンストンで教員をすることの大変さの一端を垣間見た気がした。半分程度アプリケーションを読んで疲れてしまったので、残りは明日。

課外活動的なところでは(1)東アジアの人口と不平等に関心のある人を集めたセミナーをアドバイザーと企画中。シニア向けのフォーマルなものと、若手向けのインフォーマルなものの二つで、私は後者の担当。もともと8月にプリンストンでカンファレンスをすることになっていたのだが、これがキャンセルされて、私も経済学や疫学の人がセミナーを始めているのを見て何かやってみようかと思い(社会学の先輩のアドバイスもあり)アドバイザーに相談したところ、東アジアしばりになった。個人的にはそれでもいいと思う。参加者のコミットメントを図るのが難しいので、当面クローズドで、成功すれば徐々にオープンにしていきたいと考えている。(2)これも友人に触発されたところが大きいが、ポッドキャストをやろうとしている。2-3回ミーティングをして、来週収録。テーマは、「話を聞きたいと思っていたけど聞けずじまいだった研究者の同僚にこれまでの人生とこれからの研究について伺う」と大した理念らしい理念もないゆるゆるポッドキャスト。興味のある人は聞いてください。三日坊主にならないように頑張ります。

ツイッターを見ていると、日本では検察庁法の改正で賑わっている。三権分立のくだりはお粗末というか、別に理解が間違っていてもそこまでこきおろさなくてもいいだろうに、と思った。だから出る杭が打たれるのではないか。今回の改正はタイミング的には最悪だと思うが、そりゃ内閣としては人事権強めたいだろうし、検察OBが反対しているのも検察が介入されたくないのは当たり前だと思う。政治家を逮捕できるような権限を持った人を束ねる役職を官僚組織から選んでいいのかというのは、いろんな考えがあると思う、と検察官の人事には詳しくない私の一考え。最近たまにわからなくなるのだが、10年くらい前の日本では(ちょうど民主党が政権を握っていた頃)、官僚批判の絶頂といった感じで、リベラルな人も民主党が事業仕分けをして官僚に切り込んでいくのに賛同していた気がする。ヤフーコメントを見るたびに、なぜこの人たちは数億の予算について血税という大層な言葉を使ってセンシティブになっているのか、わからないのだが、もしかしたらこの頃から(あるいは小泉政権の頃からか)官僚が「無駄な」組織だと思われ始めたのかもしれない。そうやっていくうちに私の東大の同期で財務省を目指す人ももちろんいたが、流れとしては外資系コンサルにいく人が増え出し、法学部の定員が割れたり、官僚人気は地の底に落ちていた。しかしながら、今回はむしろその官僚組織の言っていることが正しいと、政権は介入するなと言っているように見えて、個別事例としては反対する気持ちもわかるが、全体の流れには反する気もしている。恣意的な人事というが、検察は検察でこれまでにも無罪の人を有罪にしてきた組織であり、そう言った前例のある組織が人事権をどれだけコントロールしていいのかというのは考えてもいい気がする。

May 11, 2020

5月10日

母の日、毎年母の日には帰省しているが、今回は叶わないのでモツ鍋セットを送った。起床してfbをみるとブックカバーチャレンジの嵐。まさにface bookという感じ。今日のメインは社会学における構造言語主義の批判的継承に関して三つの理論的立場を述べよというレポート、書いたは書いたが、最後の方自分でも何言ってるのかわからない。

教養としては大事だけど、これが唯一の現代社会学理論だとは思わない。ポリサイみたいにサブフィールド毎に理論を学ぶ方がいいと思う。社会学は多様なので一つの理論的な傘の下にいるという主張は最もだけど、例えば私はアルチュセールを読んでも自分の論文には活かせない。

これは反実仮想だけど日本で社会学の博士をとって、アメリカでは人口学の博士をとっても良かったかもしれない。日本語と英語では依拠する研究伝統は異なるけど、個々の話にオーバーラップはあるので。

May 8, 2020

5月8日

起床、コロナ死亡トラッキング、富山県はかなりデータを公開している、メール返信。OUP handbookのアブスト修正を週末にする。きょうだい論文のコメントを読み返信。地熱論文の改稿。ここまで午前。午後、2時半まで地熱。ひとつ謎が解ける。2年半前にRAをお願いした人にもう一回同じ論文でRAをお願いすることになり、あの時どこまでカバーしてたのか記憶が曖昧になってたので、リサーチログ取ることは大事ですね。その後深夜まで疫学の最終課題。今後どれくらいしっかり疫学を学ぶのかは、課題の一つ。

May 7, 2020

5月7日

covid 死亡のデータ作成。家族社会学のレポートの締め切り。2時半ごろに提出。終了後疲れたのであつもり、および買い物。2週間近く何も買っていなかったので、衝動的にポテチを買ってしまった。たるみ始め再びあつもり、深夜に地熱RAのアレンジ。間時間にincome segregationのデータ作成とポッドキャストの用意。
疫学と理論のレポートは明日から。多分締め切りはまだのはず…

5月6日

昨日は遅くまでおきてしまい1日眠かった。10時からcovidのミーティング。NYTの貴社の人も来ていた。親子丼を食べ寝る。1時から授業。発表は自由だったが眠くてやる気は起こらず。3時に終了し、少しあつもり。そのあと家族社会学のレポート、途中で料理はする気が起きずピザをテイクアウト、おおよそレポートを書きおわり、日付過ぎの深夜に地熱の下処理、所得分離のデータ作成、メール返信、covidワーク、ポッドキャストの仕事など。クリッパー(バリカン)が届いたので髪を剃った。右側はオーケー、左側はそり過ぎ。右利きなので、右側を剃るときはいいタイミングで頭からバリカンを話せるのだが、それが左側だと難しい。

May 5, 2020

5月5日

起床、コロナ死亡記録、次地熱。持ち家比率のデータを作成したがsmall townshipが抜けるので役には立たなそう。疫学のレポートのネタを考え、昼食。トルティーヤを生地から作りブリトーに。そのまま食べるのは難しいコメがあったのだが、ブリトーにすれば食べられることがわかりしばらく買い物に行かなくても良さそう。あつもりで休憩後、income segregationのデータ構築。色々と手間取りミーティング前のレポート作成が滞る。7時から地熱のミーティング。久しぶりに人と話せたので楽しかった。その後ランニングして夕食。親子丼を作ったが、醤油を入れすぎた。勿体無い。その後ゲノムのスライド作り、引き続きレポート作成。午後に苦しんだsegregationのコードを解決。気分転換が大切だと気づく。途中弟とあつ森。買い物は母一人で行くことが増えて、友達とも遊べず家で一人(厳密には寝たきりの祖母がいるが)なので、自分がいないよりはいいだろう。

May 4, 2020

5月4日

起床、朝からコロナの死亡データ。大阪は感染者の個票データも公開しているし、報道発表もシンプルで要領を得ている。最も公開に積極的な印象。東京は日時の不明が多い以外は迅速。その他、北海道、茨城などはホームページですぐ最新の情報が確認できる。反対に、神奈川、埼玉、京都、兵庫、福岡あたりは報道発表をすぐ公開しない、県が管轄外の自治体の保健所の報告をホームページであげない(神奈川)、死亡日を公開しない(福岡)など対応がいまいち。県がまとめて発表してくれないと、別の自治体のホームページに行かないといけないので面倒。必然的に新聞の方が効率が良い。

メモ:特定警戒都道府県
北海道、茨城県、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県

May 2, 2020

5月2日

珍しく6時前に起きる。30分ほどライティング、500words書く。ランニング、朝食(アラビアータ)。ツイッターでミシガン社会学の卒業生向けの動画が心温まった。前半の方はアメリカで社会学を学ぶということが何を意味しているのか、一端をよく表していると思う。人種、ジェンダー、階級、不平等に関するサブスタンティブな知識と量的・質的メソッドのスキルを生かして世界をいい方向に変えていって欲しい、という趣旨とか。
https://twitter.com/UMSociology/status/1256554030551060480

9時過ぎから犯罪統計のデータベース作成。都道府県によって様式が大きく異なりかなり困難を極めることが示唆される。続いてコロナの死亡データ。東京の件数が非常に多くなっている。洗濯、日本語のレッスンはキャンセルになった雰囲気。昼ごはんを食べ午後1時半から3時前までr coding。その後疫学と家族社会学の最終レポートをそれぞれ3分の1程度進める。

今日は料理する気が起きず、朝はレンジでズボラアラビアータ、昼は生地の上に乗せたときに怪しい臭いに気づいたモッツァレラチーズがアクセントのピザ、夜は怪しい臭いに気づいたのでさっさと処理してしまおうと残りのチーズをぶっこんだクリームソースのペンネとかなり手をぬいた。おとといはチャーハン、ここ数日はナポリタンとちょっと油気の多いものが恋しくなってきたが、自宅だとなかなか難しい。こってり中華に生中が心の底から欲しい。