August 16, 2024

引越狂騒曲

 マサチューセッツ州にあるケンブリッジに引っ越しました。ハーバード大学で2年間のポスドクをするためです。

アメリカの引っ越しは、慣れないこともあり、心労が多いです。デフォルトがDIY、つまり自分で引越しする社会なので、日本のように単身引越しサービスを複数の業者がオファーしている世界とは全く異なります。プロの引越し専門業者もあるのですが、基本的に私の周りでは、近場の引越しであれば自分でトラックを手配して、最初から最後まで自分で引越しをする人が多い印象です。おそらくその方が安いのでしょう。

トラックをレンタルできる業者はいくつかありますが、最も有名なのはU-Haulという会社です。広大なアメリカで、数少ない全国チェーンの業者なのではないかと思います。対抗業者はPODSですが、街中で見かけるのは圧倒的にU-Haulです。

U-Haulに代表されるアメリカのレンタル業者がすごいのは、トラックだけではなく、倉庫も貸している点です。退去日と入居日が合わなかったりすると、荷物をどこかに保管する必要が出てきます。プロの引越し業者に頼めば、そこも含めてやってくれるわけですが、その分お金がかかります。U-Haulは自分で荷物を運び、運んだ荷物を一時的に倉庫に保管するところまで同じプラットフォームでできるので、便利ですし、自分で運ぶ限りにおいては、安いわけです。

そういうわけで、U-Haulはトラックと倉庫貸しが基本です。なのですが、引越しの多様な需要に対応して、実質的には引越し業者と同じこともやっています。まず、自分でトラックを運転できないような人には、ストレージ用の箱(箱といっても、小型の車で一台すっぽり入りそうなサイズ)を退去する住所まで運んでくれます。そして後日、その箱をまた取りにきてくれ、引越し日まで倉庫に保管してくれます。引越し先が遠い場合、例えばニュージャージーからマサチューセッツに引っ越しするような場合には、マサチューセッツの倉庫まで運んでくれます。そして、引っ越し日にまたトラックを使って、箱を住所まで運んでくれるのです。このサービスは、U-boxという名前で展開しています。

さらに、引っ越しに対して、荷物の搬入や荷下ろしをしてくれるサービスまで展開しています。実際には、U-Haulのサービスというよりは、U-Haulと提携している、現地の引越し業者にアウトソーシングしている形をとっています。

私の場合は、プリンストンを出るときには箱をアパートの前の駐車場まで運んでもらって、友達の手を借りて荷物を自分で搬入しました。当初は、荷下ろしも自分でするつもりだったのですが、ケンブリッジの住所には無料の駐車場がなく、日を跨いで車を止める場合には、かなりの料金(最低200ドル)がかかることをU-Haul側から伝えられ、その日のうちに引越しを終えることを勧められました。1日駐車しているだけであれば、moving containerからmoving vanというカテゴリに変わり、最低60ドルで済みます。

というわけで、U-Haulの口車に乗せられて、提携する地元の引越し業者から人を呼んでしまいました。

結果的に、ケンブリッジのアパートが3階かつエレベーターなしという物件だったこともあり、業者に搬入をお願いして正解でした。U-Haulに払った総額は、2000ドルといったところでしょうか。私は箱を2つ注文したので高くつきましたが、単身の引越しであれば1箱で十分だと思います。その場合、NJからMAの移動であれば、最安で1000ドル程度でいけるのではないかと思います。

終わってみれば、意外とスムーズに行ったのですが、アパートの前にある駐車場を市のホームページで申請して事前に押さえておく、という経験も日本ではしたことがなく、初めてのことが多いので疲れる経験でした。

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