第8章 地位と文化 上昇婚に対する文化消費の影響
地位と雑食化命題
・ Weber (1946)によるClass(ライフチャンスを規定する経済的資源)とStatus(威信的な文化によって強調される集団間の差異)の区別
・ 階級形成における象徴的な資本の役割(Bourdieu 1984; DiMaggio and Mohr 1985)
・ 文化的雑食化のトレンド,Univore thesis (Bourdieu)とOmnivore thesis (Peterson
1996)の対立
・ 文化的雑食化が新たな文化資本になっている可能性(Erickson 1996)
文化消費と配偶者選択
・ 女性は学歴や経済的な資源が男性に比して低いことから,地位文化は上昇婚(marry up)を果たすために重要な資源と考えられてきた.
・ 高級文化を消費していることは,女性だけではなく男性にとっても自らの配偶者の学歴が高くなる(DiMaggio and Mohr 1985)
・ Ericksonの指摘を踏まえると文化的雑食嗜好は職場と学校におけるコミュニケーションのスキルとなり,配偶者選択に影響を与える可能性がある.
・ Ericksonの指摘を踏まえると文化的雑食嗜好は職場と学校におけるコミュニケーションのスキルとなり,配偶者選択に影響を与える可能性がある.
→近年の文化的雑食化を踏まえた結婚のパターンと文化消費の関係について考察する.
使用するデータ:SSM2005/1995 男女20-64歳
検証する仮説
・ 【仮説1】上昇婚をした人は同じ学歴で同類婚をした人に比べて高級文化を消費する確率が高い(高級文化仮説)
・ 【仮説2】高級文化消費が上昇婚に与える影響は男性よりも女性にとって大きい(高級文化のジェンダー差仮説)
・ 【仮説3】上昇婚をした人は同じ学歴で同類婚をした人に比べて文化的雑食である確率が高い(雑食化仮説)
・ 【仮説4】文化的雑食化の上昇婚への影響力は若いコーホートほど大きい(雑食化の世代差仮説)
・ 【仮説5】雑食消費の人ほど現在の配偶者と職場と学校で出会っている確率が高い(雑食化機会仮説)
・ 【仮説6】若年コーホートではOmnivore消費が,中年コーホートでは高級文化消費が職場や学校での配偶者との出会いに正の効果を持つ(雑食化機会の世代差仮説)
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