November 26, 2017

公的統計に関するセミナー

土曜日に、一橋大学経済研究所にて開催された公的統計に関する研究会に参加して来ました。
https://hrs.ad.hit-u.ac.jp/v33/entries/add/81

毎年行われている公的統計に関する研究セミナーということで、今年は国勢調査がメイン。とくに社人研の釜野さんの同性カップルに関する報告と中川さんの外国人集住地区に関する分析は勉強になりました。

国勢調査などはできるだけ「真実」に近い分布を捉えることができれば理想ですが、出てきた分布が「真実」だと判断することには慎重になった方がいいでしょう。これが研究会後の感想でした。特にマイノリティとされる集団については。

昔はアメリカなどでも同性配偶者を「誤記入」とみなして異性カップルにしていたこともあったよう。ただ「実際に」誤記入の場合もあり、今後はウェブ回答が発達して名前から性別がどちらの可能性が高いか判断もできるようなので、男性回答者に例えば「ジョンを配偶者と回答してますがいいですか」みたいに確認できるようになるらしいです。面白いですね。

外国人についても、国勢調査はアクチュアル方式(1週間前の仕事)なので、外国人「就業者」と外国人雇用状況でわかる外国人「労働者」はそもそも一致しません。技能実習制度でくる外国人も「研修生」は労働者ではない一方で「実習生」は労働者になるが、それが当人の(意味世界の)中でどう理解されているかは別の話ということになります。最後の伊藤先生の報告では、国勢調査で捉えられる外国人「就業者」と外国人雇用状況による外国人「労働者」が、2010年では後者の方が多かったのに対して、2015年では前者の方が多くなっているという、ズレの非一貫性も指摘されていて、同性カップルと合わせて人口を推定することの難しさを感じました。

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