December 6, 2018

12月4日-demsem, networking, 学会

今日のdemsemのスピーカーはスタンフォードのbio-demographerの人で、序盤で疫学における因果推論のconsistencyの重要性を指摘していた。たぶん統計で習う一致性とは異なり、同じ100ドルが健康に与える影響でも、収入による100ドルとくじによる100ドルが同じ、という想定らしい。

socio-genomicsが流行っているアメリカの社会学では、bio-demographyのトレーニングを受けた人の活躍の幅は広がりそうである。うちの学部では2日に1回はマット・デスモンドという単語を聞くが、同じ頻度でpolygenic scoreやGWASという単語も飛び交う。それくらい流行っている。毎度のことながら、批判的人種理論と社会ゲノミクスの研究者が同居するのは不思議としていいようがない。

ミシガン大で来年の6月に開かれる社会ゲノミクスのワークショップはさすがに自分の研究に使う段階ではないので行かないけど、来年のアメリカ人口学会で1日で終わるワークショップがあるので、それは行こうと思う(というか登録した)。今日の報告者の人も、個人のgenotype統制して信頼区間めっちゃ縮めたそうだったので、遺伝自体に関心がなくとも、推定の精度を高めたいという目的で使用したいと考える人は多いだろう。

人口学のセミナーでも、普通にmethylationという単語が出てくる。辞書で検索してメチル化か〜と納得するふりはできても、そもそもメチル化が何か全く分からないから、こういうワークショップで勉強するのが手っ取り早いだろう。

余談だが、今日のスピーカーの人は、Robert Wood Johnson Foundation Health & Society Scholarとしてセミナーのオーガナイザーの先生と同じ時期にポスドクやっていたみたいで、社会学と人口学のトレーニングを受けた後にこういう人とオフィスをシェアできるのはポスドク経験として有益だなと思った。

続いて、プロセミナーでは、前半で公共社会学、後半でネットワーキングについて。公共社会学にも色々と定義はあるが、従来のcommunity organizingと余り変わらないことをやっている人もいる他、自分の研究を一般の人にもわかりやすく伝えていこうとするpublic writingは、自分でもできる実践なのかなと思った。

後半では、今学期にリタイヤするファカルティの大御所の先生。アメリカ社会学会の副会長まで務めた有名なジェンダー研究者。ASAやPAAと言った大きな学会では人と話す機会が少ないので、自分の知っている研究者が参加する小さな学会(ジェンダー研究の場合にはSWS, society for women in sociology)から始めることが重要といっていた(start with small conference)。また、(分野にもよると思うが)自分の研究が必ずしも伝統的な社会学の領域に収まらない場合には、これとは別に地域学会などの分野横断的な学会に参加することがいいということだった(networking outside the sociology)。また、学会とは別に1ー2年に1回の頻度で開催される本当に小さな、数十人規模のカンファレンスにも足を運んでみることもできる(panels at small conferences, special purpose conference)。

これらの学会活動とは別に、大きな学会は大抵セクションごとに分かれているので、そのセクションの学生代表(student representative)ないしnewsletter editorになると、必然的にその分野の先生、特にセクションの代表に選出されるような有名な人と知り合いになれる点が指摘されていた(working with people elected as a leader)。ただし、前者は仕事量が多すぎることがデメリットらしく、コスパよくネットワーキングをするのであれば後者のエディターが良いということだった。

自分のケースに当てはめてみると、地域学会としてassociation for asian studiesには入っていたが、確か年会費を払っていなくて大会になっていたかもしれない。でも、メールニュースはまだもらっているので、機会があれば参加してみようかなと思う。分野別の小規模学会としては、すでにRC28にコミットしているので良い。メインの所属はPAAだと思うが、ASAとどれくらい関わっていくかは今後の考慮事項。考えているセクションは、IPM, Population, Family、どれも研究と関連が深いので、エディターは考えてみるかもしれない。

また、大規模な学会ではネットワーキングが難しいというのは学会側も承知しているようで、ASAの場合にはround tableがthe best session for networkingとして用意されている他、PAAでも(30 bucksかかるが)mentoring lunch が用意されている。

PAAのregistrationとworkshop登録を終わらせて、旅程を変更した。日程を確認すると、ポスター報告が11日に3件入っていて絶句した(自分で報告するのは2つ)。PAAの暫定的なスケジュールは公開されている。

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