December 17, 2017

国勢調査を用いた性別職域分離の趨勢

国勢調査を使って1995年から2015年までの性別職域分離のダンカン指標を出してみた。
単に面倒で誰もやらなかっただけだと思うが、ただ2015年の小分類集計は13日に出たばかりなので、一応結果は最新だろう。

スパンとしては、先行研究のCharles et al (2004)における最新年の1995年から、2015年までの20年間。国勢調査は5年おきに実施されているので、合計5時点で、トレンドを見るには十分だろう。

職域分離の既存研究で指摘されていることではあるが、分離の指数はカテゴリ数によって異なり、細かいほど分離が色濃く出る。8分類よりは、小分類の方がより分離するということである。

したがって大分類よりも小分類を使った方が、その理論的な適切性は置いておくとして、分離の「上限」を見ることができるので、ひとまず国勢調査を使うのがよいだろう。

カテゴリ数について、もう一つ、どちらかというとこちらの方が厄介だが、調査年によってカテゴリ数が異なる。分類が決まる詳細なプロセスはわからないが、例えば近年パーソナルコンピュータを用いて仕事の従事する人が増えているので、平成17年時点では70「電子計算機オペレーター」だったカテゴリが、一部68「速記者,タイピスト,ワードプロセッサ操作員」と統合されて平成22年の分類では84「その他の事務用機器操作員」になり、一部は82「パーソナルコンピュータ操作員」という新しいカテゴリに分けられている。仮に平成17年と平成22年を合わせて検討したい場合、分類を統合することが望ましい。幸い、あとで述べるように、統計局が対応表を作っているので、あるところまではうまく統合できる。例えば、先の例で言えば、平成22年の82「パーソナルコンピュータ操作員」と84「その他の事務用機器操作員」は、平成17年の68「速記者,タイピスト,ワードプロセッサ操作員」と70「電子計算機オペレーター」と同じカテゴリになる。なお、国勢調査に用いる職業分類は、「日本標準職業分類」と「ある程度」対応している。この「ある程度」の具合が調査年によって異なるので、国勢調査同士を比較するときには、一工夫必要になる。

1995年(平成7年)から2015年(平成27年)までの5回の調査における、小分類の変遷は以下のようになっている。参考に、産業分類の方も示している。


表1:国勢調査における職業分類の変遷
西暦 1995 2000 2005 2010 2015
和暦 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年
調査回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回
大分類 10 10 10 12 12
中分類 61 61 61 57 57
小分類 294 293 274 232 232
表2:国勢調査における産業分類の変遷
西暦 1995 2000 2005 2010 2015
和暦 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年
調査回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回
大分類 14 14 19 20 20
中分類 77 77 80 82 82
小分類 216 223 228 253 253
このように見ると、職業分類は小分類はより粗く、すなわちカテゴリが少なくなっているように見えるが、実際には新しいカテゴリなどもできているので、左から右に一意に対応関係ができるわけではない。一方で、産業分類のカテゴリ数は増加傾向である。

平成22年(2010年)と平成27年(2015年)は番号の振られ方は異なるが、分類自体は変わらないので、比較することができる。一方で、平成17年(2005年)から平成22年(2010年)の間に大幅な改訂があったため、統計局も「平成22年分類区分による産業分類,職業分類,家族類型等を遡り集計した結果」を提供しており、平成17年については平成17年の分類と平成22年の分類の二つを手に入れることができる。最終報告書にも対応関係を載せた表が掲載されている。

平成17年(2005年)と平成12年(2000年)の間にも大幅な改訂が生じており、こちらも対応関係については報告書で解説されている。ただし、探してみたところ、平成17年の分類で遡及的に平成12年の再分類をし直してみたものは存在しなかった。

困ったことに、平成12年(2000年)と平成7年(1995)の間はあまり変わっていないように見えるのだが、実際は小分類レベルではたいぶ変わっており、対応する表も見つからなかった。ただし、(なぜか)平成17年の最終報告書において、平成12年基準の分類で平成7年の職業分布を再集計した表があり、これを使えば平成7年の分布も平成17年以降の分布と対応させることができる。

したがって、実質的には平成7年の職業分類ではなく平成12年の分類を用いれば、平成7年の分類も分析に用いることができそうである。ただし、平成12年分類の再集計結果は男女の総数しかわからず、雇用者などに限定することはできないし、年齢を絞ることもできない。

結果的に、184の小分類にリコードすることで、平成7年から平成27年の分類を統合することができた。今後は、これを用いて分析を進めていく予定。さしあたり、ダンカン指標をみてみたが、141分類で検討しているCharles et al. 2004の1995年のD-indexは50.66 (all ages)で、こちらとほぼ同じくらい。ただ、トレンドは違う感じである。

No comments:

Post a Comment