November 8, 2015

帰京

 昨日は生みの父親の母の墓参り(墓探し)、5年近く連絡が途絶えていたのだけど、7月に亡くなったという母の一言にかられて、母方の祖母のわずかな記憶を頼りに、共同墓地と複数の寺を一つずつ巡っていき、2時間ばかりかけてようやく見つけることができた。墓の前でひとしきり泣いてすっきりした。
 諸事情で私の苗字は生みの父親のものなのだけど、死んだ祖母の苗字はそれとは違っていた。自分のイエは離別と死別がごちゃごちゃになってて、とてもじゃないけど家系図なんてかけたもんじゃないと改めて。
 今日は雰囲気がらっと変わって母方のいとこの結婚式。幼い頃、私の母と叔母が働きに出ている事情もあり、母方の祖母と一緒にきょうだいのように過ごしていた。高校を過ぎてからあちらが引っ越して会う頻度は減っていたけど、今日久しぶりに顔を見ることができた。
 結婚の際に姓を変えるとか、式で両家のなんたらとか、素朴に捉えて中に入っていくことはできないけど、それらはひとまず棚に上げて、一個人としては彼女の新しい人生がうまくいくよう願うばかり。なにより、祖母が孫の結婚式を見られてよかったなと思った。そういう事情でこちらもひとしきり泣く始末。
 この二日間の出来事は、東京に出るまでの人生に、今の視点から意味を見出すためには必要だった。自分の中でしこりみたいに残っていたものの一部がほぐれた感じ。基本的に、大学に来るまでに経験していたことと、大学に入ってからの周りの環境はギャップばかりで、その間を埋める作業はこれからも必要。
 大学に来て最初の頃は、周りの環境が真っ当なものに見え、大学に入るまでの自分の経験に一種の恥ずかしさを感じていたけど、今はまあそれも一つの生き方だし、自分はその両方の間に位置する境遇で、それを背負って生きていこうと思うようになった。こう言えるようになるまで結構時間かかるんですよね。
 そういう境界にいるのは、基本的にあまり居心地がいいものではないというか、例えば今日なんかも周りから東大に通ってて凄いねえとかいう、田舎あるあるを久しぶりにかませられたりした。多かれ少なかれ複数のカテゴリの間に位置する人なら経験することだろうとは思うけど。
 そういうのをネタにできる力もないので、ひたすら、あ、はい、ありがとうございます、そうですね、親に感謝してます、はい、頑張ります、ありがとうございました...って言いながら右から左に聞き流すことしかできない。しかし、1日スーツで非常に疲れた。卒業式以来で、今年度初。スーツを着ることがマストな職業には就けない。。。

No comments:

Post a Comment