April 5, 2015

4月第一週休日メモ

午前中は新入生と留学生を連れ吉祥寺散策。井の頭公園を抜け、サンロード、武蔵野観光協会から中道通り、大正通りから折り返しながら東急裏、お昼にハモニカ横丁のなかだ屋。買い物案件が見つかり、最後は丸井に。別れてスーパーに寄ったら、花見客用の惣菜が半額になっていたので購入し、帰宅。

いくつか文献を読んだり、調べ物をしたり、久しぶりに人に動かされずゆっくりできたいい一日だった。ただ、すごい勉強をしたという訳ではなく、今まで溜まっていた雑務の片付けをそれなりにすすめ、他はだらだらとしていた。精神的健康のためには、こういう日も必要だろう。文献としては、一通りDissecting the Socialを読み終えたのが大きく、第六章が重要だろうということでまた精読する。

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高ゼミの論考で、近年のアメリカ教育改革の流れを政策面からフォローして、代案を提言しているものがあり、勉強させてもらうと同時に、以下の三つの文献があるのだなあと、メモ。アメリカの教育改革では、内容と達成度のスタンダード、及び達成度に対して賞罰を課すアカウンタビリティがキーワード。「落ちこぼれゼロ法」などは、各州が定めたスタンダードに基づき、一定のレベルを全ての子どもが達成することを定めたもので、これに失敗するとアカウンタビリティの原則に照らして、例えば教師が解雇されたり、学校に廃止を含めた罰則が課される。「落ちこぼれゼロ法」などは、各州が定めたスタンダードに基づき、ドロップアウト率の低下や学力の向上など、一定の効果は収めたものの、なお、こうしたアウトカムに対する人種間の格差や教師の離職などの問題があり、アカウンタビリティ要件の緩和などが提案されているようだ。こういう政策的な部分はフォローしていなかったので、有り難い。一定のレベルを全ての子どもが達成することを定めたもので、これに失敗するとアカウンタビリティの原則に照らして、例えば教師が解雇されたり、学校に廃しを含めた罰則が課される。

文献としては、
アメリカの現代教育改革―スタンダードとアカウンタビリティの光と影: 松尾 知明
アメリカ教育改革の最前線―頂点への競争 (学術叢書): 北野 秋男, 大桃 敏行, 吉良 直
偉大なるアメリカ公立学校の死と生―テストと学校選択がいかに教育をだめにしてきたのか: ダイアン・ラビッチ
などがあるようだ。

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寮の留学生から、緊急連絡先として名前を貸して欲しいと頼まれる。あちらの奨学金の申請で必要らしい。私はRAだが、これをする/しないのリストはなく、判断に困る。寮に常駐している人の方がいいと思い、寮母さんを勧めたが、英語ができないから無理と言われ、ぐうの音も出ない。会社に問い合わせ中。この寮の趣旨は、日常レベルの交流を通じて、国際経験を養う、というものだと思うが、その恩恵を一番に受けているのは、私のような気がする。これは皮肉なことかもしれない。RAとして在籍していると、この大学がハウジングを含め留学生を受入れるに足る体制を整えるまで、まだ時間がかかる気がする。この件に関しては、必ずしも私だけが恩恵を受けないよう、私は努力していかねばならない。

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以下は、数日前のメモ
Sweeney, M. M. (2002). Two decades of family change: The shifting economic foundations of marriage. American Sociological Review, 132-147.
Sweeney (2002)のASR論文の趣旨としては、ベッカー-オッペンハイマー論争の検証みたいになっている。卒論でなかば決着ついたみたいに書いてしまったが、2000年代初頭くらいまではトップジャーナルに載るくらいのトピックだったか。

Are “Equals” Happier Than “Less Equals”? A Couple Analysis of Similarity and Well‐beingR Keizer, A Komter - Journal of Marriage and Family, 2015
JMF掲載のKeizer and Komter (2015)では、生活-関係満足度が夫婦のソシオデモグラフィック、ないし価値観の(非)類似性にどれくらい影響を受けるかという研究で、夫婦の社会経済的地位が異なる方が生活満足度が高く、これの説明にベッカー理論が出てくる
伝統-非伝統的カップルの満足度の違いを説明するときにベッカー持ち出すよりも、両タイプのカップルの間で具体的にどのような場面で満足度に関係するようなイベントがあるかとかを調べた方がいいと思う。


最後に、通学中に電車で実践としての統計学の序章と五章読み、前者がSorensenのいってることと結構似ていた。additiveは追加的と私は訳してたけど、これ読んでたぶん加法的と訳した方がいいと思った。

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土曜のバイトから帰宅の電車の中で、直井編「社会調査の基礎」(S.58)所収の原論文。ログリニアで独立モデルが「独立」たる際に、「周辺分布を固定する」という文言を入れると説明が分かりやすくなると思った。クロス表χ二乗も、周辺分布を固定した上で、AとBが独立であるという帰無仮説。もしくは、複数の変数が独立に度数分布を規定している、という意味で独立モデル。そもそも変数が周辺度数を規定しない、という独立も、意味的には可能。

Whither Opportunity? (2011)所収のHarding et al.論文では、教育のアウトカムに対する近隣効果の検討のための方針を紹介。メカニズム解明のため、複数の方法、特にtime-useとsocial networkのデータ収集が必要と指摘。




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