先日まで、カナダのトロントで開かれた日本研究の学会(というには小さいワークショップ)に参加してきました。トロント大学日本研究所の主催です。旅費を補助してもらい、ありがたかったです。
オーガナイザーが政治学者ということもあり、参加者の8割くらいが政治学者でした。私が現在所属しているウェザーヘッド国際問題研究所も、政治学者が中心的な役割を占めており、この一年は、体感としては今までで一番、政治学の人と接触した気がします。
政治学者は自分の守備領域をしっかり意識している人が多い気がします。例えば、自分はcomparativistでpolitical representationを日本を事例にやってる、みたいな。
自分の場合でいうと、「社会人口学で結婚行動を日本を事例にみている」という感じでしょうか。とはいえ、結婚行動をみてても、先行要因として女性の教育や就業パターンにも注目したりしますし、政治学の方がサブフィールドのサブも境界線がはっきりしてる気がします。
日本研究の学会なので、今回は理論なしでスライドを作ったのですが、政治学の皆さんのスライドはきちんと理論から入っていて恥ずかしくなりました。分野外の人には、話がややこしくなるから除いたのですが、政治学の理論をわかりやすく説明している人の発表はすぐ内容が入ってきましたし、自分も、社会学にいない人にもわかるような理論の説明を心がけるべきだと思いました。また、理論を通じて日本という事例をより面白く見せることができるよう、心がけたいなと思いました(PhD一年目の学生みたいな感想)。
もう一つの洞察は、例えばrepresentation ではgenderはかなり蓄積しててもう新しい研究でなさそう、raceはまだ盛り上がってる、ageは最近ホットになりつつあるみたいに、参加者は自分の分野流行りもしっかり意識してる人が多くて、トップジャーナルちゃんと読まねば…と再びPhD一年目並みの感想を持ってしまいました。
自分の場合、流行を意識しながら日本をみる、というアプローチではなく、日本をみることで流行っていない研究を流行らせたい、といったマインドで研究してる気がします。だからトップジャーナルには載らずに、カウント稼ぎみたいなことしかできていないのかもしれません。
まあ、自分のテイストは別として、理論への貢献がトップジャーナルへの必要条件だと思うので、日本を事例にする時は、自分はどのように理論に貢献しようとしているのだろうか,という点をまたしっかり考えたいです。
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